読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

別冊図書館戦争Ⅱ 有川浩著 アスキー・メディアワークス 2008年

 『図書館戦争』シリーズ番外編、第二弾。
 ネタばれあります、すみません;

 一、「もしもタイムマシンがあったら」
 もしもタイムマシンがあったら、いつに戻りたいか。盛り上がる堂上班の四人の後ろで、緒形副隊長は大学時代に思いを馳せる。その頃から付き合った彼女は実は作家志望で、自分は何も考えず公務員試験を受けて、良化委員会に配属されて。後ろめたさから言えなかった職種が、彼女との別れと転職をもたらした。…

    「マーメイドのドレス」なんて言葉を知ってる小牧、何者…??(笑)
    そうか、郁マーメイドドレス着たんだ~。タッパも要るけど、あれはよっぽど細くないと似合わ
    ない筈、しかも似合うと花嫁さんばかり目立っちゃうし。…郁、堂上に容赦ないわね(笑)。
    しかし、いきなり証拠写真を送りつける彼女や彼女の友達の感覚はちょっと分からん;
    品がなくないかしら、と少し眉を潜めました。

 二、「昔の話を聞かせて」
 堂上が郁に、新人だった頃の話をせがまれるまま話す。図書大学校のこと、小牧と組んでお互い意地を張り合い、搬送中の軽トラックからコンテナを盗られた失態、館内で置き去りにされたウサギのぬいぐるみの爆弾騒動、武蔵野第一図書館で開催された絵本展示会での攻防。…

    こういう職種で新人二人を組ませる、ってどうなんでしょう??
    堂上が突っ走ってる頃が紹介されます。何かかっこよく脚色されてるなぁ(笑)。
 
 三、「背中合わせの二人」(1)
 柴崎がストーカー被害にあっている。相手は利用者と言う立場をうまく使って立ち回り、言質を取らせない。寮で同室になった水島久美子士長は真面目で融通が効かず、順調に昇進する柴崎にコンプレックスを抱いている様子、柴崎には心安らぐ場所がない。…

    水島の造形は、この辺りではちょっと耳に痛かった。気を使うばかりで気が利かない、ってのは
    私も多分にそうなので。
    …それにしても柴崎、不幸な役目を引き受けてるなぁ。

 四、「背中合わせの二人」(2)
 柴崎の悪質なコラージュ写真が出回った。男性下士官のほとんどが回し見ていた様子、続けていかがわしいサイトに柴崎の携帯番号が載り、寮に嫌がらせの電話までかかって来る。警察に被害届を出したが、加害者が掴めない。姿の見えない相手に消耗する柴崎。柴崎を元気づけようと郁が夕食に誘った帰り、柴崎が何者かに拉致された。手塚が水島を助手席に乗せて夜の街をひた走る。

 五、「背中合わせの二人」(3)
 柴崎に持たせた発信機を頼りに、行方を追う手塚。こんな非常事態に柴崎の印象を歪めて手塚に伝える水島に嫌悪感を覚え、彼女を途中で降ろす。
 一方、あまりに事情に詳しいことから、女性の視点や内部犯の可能性が浮上して来ていた。後方支援にいた一人の男がクローズアップされ、おまけに水島との繋がりまで見えてくる。
 すんでのところで手塚に救われる柴崎。手塚の告白に、大声で泣きじゃくる。…

 
 …柴崎を素直にさせるには、こんなに酷い目にあわせなきゃいけなかったのかなあ。言葉狩りだの検閲だの、ってのが一段落ついたからには別の方向からのアプローチ、ってんでこうなったんでしょうか。旦那さんの気持ち少し分かる。私はこれでもまだ多少後味悪かったので(苦笑;)。
 柴崎の偽写真を見た罰則として、若手隊員足腰立たなくなるまで走らされてましたが、そんな肉体的苦痛より精神的に痛めつけてほしかったかも(笑)。結婚式のお料理は、結構残してくれるけどなぁ。
 とりあえず、ハッピーエンドです。あと二冊番外編が出るとか言う噂もありましたが(表紙もⅠがハートでⅡがダイヤって装丁だから、クローバーとスペードも企画としてあったんじゃないかとも思えてしまう)、あとがきからしてこれで最後っぽいですね。
 有川さん、御苦労さまでした。