読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

RDG レッドデータガール はじめてのお使い  荻原規子著  カドカワ銀のさじ  2008年

 ネタばれと言うか、終りの方まで粗筋書いてます。発売されたばかりの本で本当、すみません;

 鈴原泉水子はおとなしく引っ込み思案な中学三年生。クラスの男子ともろくろく話せない。バスも通っていない山奥の神社の娘で、学校まで神官の一人・野々村の送り迎えする車で通学する毎日。おかげで部活にも休日の遊びにも参加できず、クラスメイトも泉水子を特別視している。何とか普通の女の子として生活したいと一大決心して、物心ついて以来切ったことがない前髪を切り、高校生になったら地元の外津川高校で寮生活を送りたいと祖父に希望を述べた矢先、アメリカに離れて暮らす父親・大成から、東京の鳳城学園へ進学するよう連絡が来る。
 友人が一人もいない高校でやっていけるとは到底思えない。自分の性格や意向を無視するやり方も気に入らない。泉水子が拒否すると、大成は友人・相楽雪政を寄こして来た。ヘリコプターで学校に乗り付けて来た雪政は、泉水子の意志を尊重する代わりに、自分の息子・深行を泉水子に下僕として付き従わせる、と言い出す。泉水子は多くの人間に守り育てられる定めの少女で、深行もその立場にある、と。寝耳に水の泉水子と深行。到底承服できるものではない。
 都会の進学校に通いスポーツも万能の深行にとって、美人でもない鈍くさい女の子に振り回され、転校までさせられるなんて我慢ならない。苛立ちは敵意を持って直接泉水子に浴びせかけられる。だが外面はいいので大人には受けがよく、クラスにもすぐに馴染み、却って泉水子の立場が無くなってしまう有様。
 深行と離れるためには、雪政を説得するしかない。雪政を説得できるのは、公安に勤めている泉水子の母・紫子だけ。利害関係の一致した二人は修学良好先の東京で、紫子と会う約束を取り付ける。だが、行く先々で妨害が入る。泉水子の体調は悪くなり、天候も荒れる。電車も動かない。黒い影、無数のまなざしが泉水子を付け狙う。泉水子の恐怖が最高潮に達した所で雪政が現れ、恐怖は去る。結局紫子には会えなかったものの、紫子の家で休みは取れ、雪政も深行も、泉水子に憑依した姫神に出会う。
 修学旅行から帰り、旅行に行けなかった同級生・和宮さとるにお土産を渡す泉水子。東京に行ったことで微妙に変わった泉水子の心を感じ取り、和宮は泉水子に尋ねる。「きみは、ここを出ていかないよね」。…

 荻原さん久し振りの現代日本ファンタジー
 荻原さんの話で、まぁこれだけ相手役の男の子の性格が悪いの、って初めてじゃないかしら。泉水子に当たっても仕方ないだろう、ってまぁムカつくムカつく(苦笑;)。その分後半、泉水子の神霊の収め方は爽快だったし、ぎゃふんと言った感じの深行も面白かったんですが。雪政さんもすごいですね、強引もいい所だわ。
 長い物語の序章、と言う感じですね。これから荻原さんお得意(?)の寮生活も始まるんでしょうか、何となく『風神秘抄』に繋がるんだろうか、って雰囲気がするのは私だけ?(笑)。
 いや~、楽しみです。続き早く出て欲しいなぁ。