読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

狼と香辛料Ⅲ  支倉凍砂著/文倉十イラスト  メディアワークス電撃文庫  2006年

 『狼と香辛料』シリーズ第三弾。
 ネタばれと言うか、あらすじばりばり書いてます、すみません;

 教会都市リュビンハイゲンを出て北上するロレンスとホロ。徐々に教会の勢力範囲から外れて来たこともあって、異教徒の町・クメルスンでは堂々と土着の祭りが開かれようとしていた。途中で出会った若い魚商人・フェルミ・アマーティの紹介で何とか宿をとれた二人は、賑やかな祭りの雰囲気に浮かれ気味。翌日二日酔のホロを残してロレンスは麦商人のマルク・コールを訪ね、リュビンハイゲンで仕入れた釘を売りながら、町の年代記作家を紹介して貰う。
 行商人ギ・パトスの仲介で訪れた年代記作家ディアナ・ルーベンスは、教会から異端視される錬金術師たちが住む一画にいた。教会に歪められる前の、各地の昔話を集めているディアナにホロの故郷ヨイツの情報を教えて貰うロレンス。月を狩る熊に滅ぼされた町、との伝説にヨイツはやはりもうこの時代にはないのか、と心を痛める。
 とりあえず場所の見当を付けて宿に帰ると、ホロはアマーティと散々祭りを楽しんでいた。アマーティはホロにすっかり骨抜きになり、ホロの作り話を信じ込む。挙句、言い出すにはホロのロレンスへの借金、銀貨千枚を自分が肩代わりし、自由の身となったホロと結婚するのだとか。ホロと自分の繋がりを信じるロレンスはまるで相手にしていなかったが、宿に届いたディアナからの手紙、ヨイツが滅んでいると言う内容をホロに見られ、自信が揺らぐ。取り乱したホロはその情報を隠していたロレンスを責め、仲違いしてしまう。
 ホロを失う訳にはいかない。アマーティに銀貨千枚を集めさせてはならない。アマーティは人気占い師が御利益ありと売り出した黄鉄鉱に目をつけ、大量に買い付けているらしい。祭りの浮ついた空気も手伝って、黄鉄鉱は信じられないような値を付けて上がっている。ロレンスは黄鉄鉱を暴落させようと、マルクとディアナに黄鉄鉱の買占めを依頼する。マルクはできうる限りで協力してくれたものの、ディアナは分からない、との応え。同じく錬金術師相手に黄鉄鉱を買い集めている人物がいる、その人物との交渉次第だとか。
 期限当日、黄鉄鉱を扱う露天商の店の前で。無尽蔵に上がる黄鉄鉱の値段を片目に、ロレンスはアマーティの傍らにいるホロを見ていた。自分の企てなど当然見抜いているに違いないホロは、アマーティにどんな助言を与えたのか。ディアナからは、ロレンスに黄鉄鉱は売れない、との返事が来た。…

 …ごめんなさい、ホロみたいな面倒臭い女の子、やめとこうやと思ってしまいました(爆!)。
 ロレンスがホロを信じられなかったと謝るんですが、元々ホロが思わせぶりな態度を取ってたことにも原因があるんでは??とか思って、今イチ納得がいかない(笑;)。行商での孤独感、それを埋めてしまった楽しい旅の相手を失いたくないと言う説明、それによって損得勘定だけではない人間味も出て来て、ロレンスの交友関係も広がって行ってるんですが、はてさて(笑)。
 まぁ元々神様だしね、人間を振り回すのはお手の物か。『涼宮ハルヒ~』にしろ、我儘な女の子に付き合うのは大変です。そんな子を魅力的に思えないのは個人的な好みだし。
 とりあえず、一番の被害者はアマーティ君でしたね。可哀想に(苦笑;)。