読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

なみだ特捜班におまかせ!サイコセラピスト探偵 波田煌子  鯨統一郎著  祥伝社ノンノベル  2005年

 前シリーズラスト、プロファイラーとして警視庁に転職した波田煌子が、迷宮入りした七つの難事件に挑むシリーズ第二弾。
 ネタばれになるのかなぁ、ネタばれとか言うのとはちょっと違う気がするけど、なると言えばなる気がするなぁ、ごめんなさい;

 『涙の赤い薔薇』
 昨年、24歳のホステスが自宅のマンションで殺された事件。全裸の上、赤い薔薇が挿されていた猟奇事件。部屋からはモンシロチョウの鱗粉が検出され、ポプリの瓶の蓋が五つ全部閉じられている。盗まれたのはダイヤモンド、しかし売られた形跡はない。同僚ホステスも花屋も容疑者リストから消える中、波田煌子は意外な人物を指名する。

 『涙の冷蔵庫殺人』
 一年半ほど前、寿司屋の主人がバラバラにされて冷蔵庫に入れられていた事件。冷蔵庫はガムテープでぐるぐる巻きにされていた。奥さんと浮気していた八百屋が疑われるが彼にはアリバイがある。捜査が行き詰る中、波田煌子は思ってもみなかった人物を指名する。

 『涙の海岸物語』
 五年前、海水浴客が賑わう夏の浜辺に男の生首が置かれていた事件。当時三角関係、四角関係にあった友人男女が疑われたが、無実が証明されている。波田煌子はもっと昔の怨恨ではないか、と根拠があるようなないようなことを言い始める。
 
 『涙のエレベーターガール』
 二年前、大型文具店のエレベーターの中でエレベーターガールが首を斬られて殺された事件。凶器は6階の植栽道具売り場で購入された植木バサミ。当初、恋人を被害者に取られた同僚が疑われたが、どちらも犯人ではないらしい。波田煌子はきっと生きずりの発作的な犯行だ、とプロファイルする。

 『涙の少女人形』
 一年前、室内型テーマパークのホラーゾーンで、声優出身のアイドルが殺され、等身大フィギュアに混ざって展示されていた事件。テーマパークでアルバイトしていたファンや、ライバルに当たるアイドルが疑われたが、どうも犯人ではないらしい。波田煌子は、捜査陣が全く気が付かなかった動機を推理してみせる。

 『涙のクニタチーゼ』
 三年前、資産家の夫人が自宅の庭で髪と両腕を斬られ、殺されていた事件。夫とその愛人、次に前衛芸術家が疑われたが、全員のアリバイが証明された。波田煌子は犯人は身近な人物だ、と別の人間を容疑者として挙げる。

 『涙のサヨナラホームラン
 四年前、引退したばかりのプロ野球選手が殺され、その皮膚や髪を使って小さな人形が作られていた事件。被害者の妻・人形師や熱狂的なファン、仕事上のライバルが疑われたが、どちらも犯人ではないらしい。波田煌子はコレクション癖のある近しい人間の仕業だ、とプロファイリングする。…

 …ええとね、基本的にね、例え短編であろうとも、最後の一ページで犯人が出てくるような推理小説はルール違反だと思うんですよ。そんなのはシャーロック・ホームズ以外認めない筈だったんですが、…何だろうなぁ、このゆるゆる感(笑)。このシリーズでは笑って許してしまえるわ(爆!)。それに、最後にはそれを逆手に取ってるし。…って納得してどうするよ、私(笑)。
 お茶もお茶うけも前回よりパワーアップ。いいなぁ、美味しそうだなぁ。
 波田先生、また転職するんですね。そしてシリーズ三作目に続く。