読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

桜庭一樹読書日記 少年になり、本を買うのだ。  桜庭一樹著  東京創元社  2007年

 読書家・桜庭一樹が縦横無尽に読んで過ごした、疾風怒濤の一年間。
 2006年2月から2007年1月まで。

 …すごい。本当にすごい。読んでる量も買ってる量も凄いけど、この人読書速度がむちゃくちゃ早い!
 新作旧作問わず、邦物翻訳物気にせず、詩集、ドキュメント、エッセイ何でもござれ。わさわさ読んで、もりもり食べる。…で、この人面白い…。
 イケメンのインタビュアーに対して「イケメンはほとんど書きませんね。たまに出てくることがありますが、たいがい泥棒です」と言い放つ。「アルセーヌ・ルパンのシリーズにはよく金髪碧眼の美女が出てきてルパンと恋に落ちます。ですが、たまに黒髪の美女が出てくることがあって、そうするとその美女は犯人なんです。で、ぽっくり死にます。それと同じだと思います」。……それはアガサ・クリスティのミステリには成金で軽薄なアメリカ人が出てきて、大概一番最初に殺される(©アシモフ)ってのと同じなのかしら??(←いや、多分違う…;;)。
 鳥取の郷里に帰って近所の人に氷川きよしのように元気よく挨拶して疲れ回り、犯人ならぬ犯書店員の思惑にまんまと乗っかって大量の本を買い、時間外の郵便局で自転車のハンドルを送ろうとしているヤンキー少年を見かける。『赤朽葉家~』を執筆する。
 可愛いカスタード饅を鑑賞することなく頭から食う。『私の男』を執筆するために絶食する。
 「傑作の前を、歌って通り過ぎるばかがいる! 俺だ!」とのたうちまわる。
 私が読んだ本も当然何冊か出て来てて、何となく嬉しい。
 カーの作品は、私読んだことないんですけど、やっぱり読んだ方がいいのかしら…。寺山修司の詩は、これは明らかに声に出して読むために作られたものだわ。
 …それにしても。作家さんも面白いけれど、編集さんという人も面白い人種なのだなぁ。