読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

米原万里の「愛の法則」 米原万里著 集英社新書 2007年

 元ロシア語通訳者米原万里さんの講演集。

第一章 愛の法則(2005年6月28日 石川県立金沢二水高等学校「高校生のための文化講演会」)
  男は量を追及しながら質を担い、女は質を追求しながら量を担うこと。
第二章 国際化とグローバリゼーションのあいだ(2004年10月5日 愛媛県立三島高等学校「高校生のための文化講演会」
  日本の国際化は強大国に自分をあわせることで、これは中国文化に影響された昔から続いてきたこと
  だと言うこと、アメリカの言う国際化とは自分の価値観を世界基準にすること。
第三章 理解と誤解のあいだ―――通訳の限界と可能性(1998年10月23日「文化夜話」)
第四章 通訳と翻訳の違い(2002年4月6日 神奈川県要約筆記協会「神奈川新聞社神奈川地域社会事業賞受賞記念講演」)

 内容的には、米原さんの今までのエッセイと多くかぶってますね。羨ましいのはこれを聞いてるのが高校生だ、と言うこと。いいなぁ、私ももっと頭の柔らかい時に、こういう考えに触れてみたかった。きっとこの講演の後、この高校生たちは『三銃士』や『ああ無情』を読んだに違いない(笑)。 英語を万能視するような見方に疑問が抱けたに違いない。大学で習う第二外国語も、身を入れてやると思う。…いや、今からでも私自身、やればいいんですけどね(苦笑;)。
 やっぱり惜しい人を亡くしたなぁ。