読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

となり町戦争 三崎亜記著 集英社文庫 2006年

 『となり町戦争』の文庫版。書き下ろしサイドストーリー「別章」収録。

 チュウさんから文庫版のことをお伺いして幾星霜、ある日いきなり図書館で見つけてしまいました。
 おお、この機会を逃しては…ってんで早速借りて来ました。
 本編も読み返したのですが、結構細かいエピソード忘れてました; …こっちは加筆ないですよね?;;
 
 『別章』は香西瑞希の弟・智希の元恋人・鳴海舞の視点から。
 就職した自分に比べ、智希はフリーターのまま。彼を下に見てしまうような瞬間すらある中、智希は「町の未来を決めるための大事なイベント」に関わっていると言う。
 彼と連絡が取れなくなったまま、仕事に勤しむ鳴海。森見町からの業務委託の内容が「となり町戦争」と関係していると知ったある日、瑞希から智希の死を知らされる。…

 鳴海の上司・西川チーフの言葉が重い。
「あなたは、わからないふりをして、現実を見ないようにしているだけではないですか? めぐり巡って、あなたは誰かの死に手を貸しているのかもしれませんよ。要は、それを自覚しているか、していないかの差だけです」
 …確かに、こちらの方がテーマ分かり易いかも。
 いくら遠い世界の戦争でも、決して無関係ではない。何か品物を一つ買うだけで、それも戦争に繋がってるかもしれない。できれば自覚していきたいんですが、そこまで俯瞰できる視野を持てるかなぁ。
 …道のりは遠そうです。