読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

私の男 桜庭一樹著 文藝春秋 2007年

 第138回直木賞受賞作。…すごいタイミングで回って来ましたね(笑)。

 2008年、腐野花と尾崎美郎は結婚した。
 腐野花の父親は淳悟。16歳しか違わない、義理の父親。だがその父親と、花は恋人同士でもある。地震津波で両親と兄妹を失い、淳悟に引き取られた9歳の時から…。
 二人の歪んだ、朽ちた、でも幸福な関係が語られる。ある時は花の目から、ある時は美郎を通して、淳悟、淳悟の昔の恋人・小町、そしてまた花。東京荒川、北海道紋別奥尻島。過去に遡り、二人の別の罪もまた語られる。…

 これはまた、えらい話だなぁ。
 ものすごく強烈。詳しく粗筋書くのも違う気がする。
 何か、あっけに取られて、そのまんま読んでしまった感じです。三股かけてた美郎なんか、最後にはもう霞んでたし(笑)。どんどんどす黒くなって行く。花の年齢は若くなって行くのに。
 最終章、津波に襲われる描写はキましたね。その後、たった一人で残され、ペットボトルを抱きしめたままの花の様子とか。そのまま淳悟に惹かれて行くのも分かるんだけど…。
 花はちゃんと暮らせて行けるんだろうか、淳悟はどこへ行ったんだろうか。
 …でもこれ、確かに強烈だけど、絶対一般受けしないと思うんですが。…直木賞、いいの?