読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

一瞬の風になれ 2 ――ヨウイ――  佐藤多佳子著 講談社 2006年

 二巻目ですがネタばれと言うか、内容ほとんど書いてます、すみません;

 冬、兄・健一はジュビロ磐田へ行くことが決まった。
 最高のシューズをプレゼントされて、新二は地道な練習に励んでいる。三月末の合同練習は鷲谷・桜谷高校と。新二は改めて仙波一也、高梨正巳、一ノ瀬連を意識する。
 4月、一年生も入ってきてインターハイ予選〈地区〉。100m、200m、4継(100m×4)とマイル(400×4)を無事通過。続く県大会、新二は後輩お薦めのチタンテープのお世話になりながら、雨の中ベスト8にまで残ったが、決勝ではがちがちに緊張して失敗。翌日の4継、春高は新記録で南関東出場を決めたものの、連がハムストリングスの肉離れを起こす。
 どうしても出る、三年の守屋さんと走ると言い張る連。顧問の三輪先生ことみっちゃんは自分の経験も踏まえてそれを止める。連を欠いた南関東の試合は決勝に残れず、北相大会が結局三年生の引退試合になった。
 夏、新二は部長に選ばれた。合宿、バーベキュー大会、健一の出た試合のサッカー観戦を通じて谷口若菜が気になって仕方がない。色々な思いを振り切りたくて、新二は練習に没頭する。
 秋、新人戦地区大会を無事通過して〈県大会〉。100m予選で仙波の走りを参考に、新二は自分のスタートダッシュを掴む。だが決勝は焦って失敗。でも県下4位、自己ベスト更新。200mは連に迫れるかと思いきやあと一歩で及ばず4位、マイルは新二と連が燃え尽きて8位。
 十月三週目の土曜日、新人戦〈関東選抜〉、4継で春高は4位予選通過、決勝は7位。決勝までの間に、健一が自動車事故にあった、と連絡が入る。
 健一は右膝を痛めた。複合靱帯と半月板の損傷。走れるようになるかどうかもわからない。健一の事故に動揺した上怒鳴りつけられ、新二は部活に出る気を無くす。
 そのまま走るのを止めて10日以上、11月一週目の土曜日。丹沢湖の県駅伝、応援に来るよう谷口を初め部活の面々から連絡が来る。貸切バスには乗り遅れながら、新二はコースに向かう。…

 敵も味方も関係なく、ただ記録を目指して挑戦していることが尊い。…何だか泣きそうになってしまいました。実際作中で新二は泣いてたけど(笑)。
 「可能性――いつまでも捨てたくない言葉だ。でも、ずっとしがみついているわけにはいかない言葉だ」高校生で、あるいは中学生で、こういうことに向き合わなければならない、スポーツって苛酷な世界だなぁ。
 新二が速くなって行くに従って、参加する大会も増えます。読んでるこちらにも分かりやすい構成。こんなに勝ち進まなきゃいけないなんて大変。
 新二は何とかまた走り出せるようです。健一は大丈夫なのかな。次は最終巻、新二はどこまで伸びるのか。楽しみです。