読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ドリームバスター4 宮部みゆき著 徳間書店 2007年

 『ドリームバスター』4作目。
 ネタばれあります、すみません;

 戻ってこないマッキーを探しに時間鉱山に向かったシェンとマエストロ。そこで11歳の少年・洸(ヒロム)と28歳のキエ(紀恵)、ユキオ(行男)と出会った。どうやら地球ではこの三人は、昏睡状態か仮死状態であるらしい。時間切れのため一旦テーラに戻らねばならないとシェンを諭すマエストロに、このまま三人を放ってはおけない、とシェンは帰還を拒否。断崖から落ちてしまったキエを探すためにも、時間鉱山に残る。
 坑道を降りていくシェン、ヒロム、ユキオの三人。そこにいる人間の意識によって様々に様子の変わる世界で、壁に書かれた訳の解らない数式を見たり、歌う水の女人像と出会ったり。地下の湖でシェンはようやくマッキーと再会するが、マッキーは亡くしてしまった恋人をこの場で見つけた、と帰ろうとしない。せめてヒロム達を地球に帰す手伝いをしてくれと頼まれて、マッキーは漸く地上に戻る。そこにはキエを見つけたユキオが一足先に帰っていた。
 湖でヒロムが得た直感に従って、今度は山頂を目指す5人。徐々にキエやユキオが死のうとした原因が判明し、本人たちの無意識が頂上への道を妨害する。ミミズの化け物、キエの婚約者の嘲笑、ユキオが知らず仕事場に閉じ込めて死なせてしまった少年や、加えてシェンの母《血塗れローズ》まで。
 山頂まであと少し、という所でローズの操る黒い巨鳥が邪魔し、ヒロムはさらわれてしまう。マッキーを失いながらもとにかく先にキエを現実に還し、ローズと相対するシェン。ローズはシェンに「あんたはあたしに勝てない」と勝ち誇り、ヒロムを戻して欲しかったら自分に頭を下げるよう強要する。
 何とかヒロムを還した後、「テーラに行きたい」と言うユキオとバレンシップに乗り込み帰還するシェンとマエストロ。だが時間鉱山を抜けたとき、そこにユキオの姿はなかった。…

 山田章博さんのイラストが嬉しいこのシリーズ。
 一巻まるまる時間鉱山に費やしましたね。
 本当、ゲームのよう。ある程度までクリアしたらいきなり画面が変わる所とか、ものすごく目に浮かぶ。
 現代物や時代物に比べたら今イチかな、と言う印象は相変わらずなんですが、でもユキオのやりきれない過去とかキエの自分可愛さのあまりの欺瞞とか、やっぱり読ませる。マッキーが諭す「いずれユキオの気持ちがどう変わってしまうか」って所は、あそこまで深刻ではなくても日常であるよな、と思ってしまいました。
 《血塗れローズ》もいよいよ登場。どういうラストになるのかなぁ、まだまだ続きそうです。…色々あった伏線も忘れそうだわ;