読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

終生ヒトのオスは飼わず 米原万里著 文藝春秋 2007年

 前半は米原さんの「毛深い」家族、ペットに関するエッセイ『ヒトのオスは飼わないの?』の続編に当たる内容。
 後半は家族に関する語りおろし、エッセイ等々と自分で書いた死亡記事。この記事の見出しに当たる言葉が、そのまま本のタイトルになっています。…この文章の初出、各著名人が自分の死亡記事を書いた『私の死亡記事』て本は一度読みたいなぁと思いつつ、まだ読んでないんだよなぁ。
 解説として米原さんの飼っていた「毛深い」家族たちのその後も載っていました。階段に五匹揃って食事する猫の姿は全く壮観(笑)。子猫の頃の写真は本当、凶悪に可愛かった。何でこんなに引き取り手が見つからなかったのか。…いや、性格に癖があったんでしょうけど(笑)。
 散歩のしつけも食事のマナーも抜群、舌も肥えているのにやたら家出してゴミを漁るメス犬・ノラ、強引に甘えたがるブルーペルシャ猫のターニャ、気の強いミックス猫志摩、反対に臆病者の龍馬、番犬には決してなれない人懐こさを持つミックス犬のモモ。本当、個性豊か。TONOさんの描いてる猫のエッセイ漫画も好きだけど。
 天皇制の「文化度の高さの象徴としての在り方」って考え方は何か納得してしまいました。
 エッセイに書かれなかった犬もいたんですね、ピレネー犬のナナとボン。ボンの引き取られた時の様子はもう泣きそうでした。反対に猫たちの自由奔放、手前勝手なこと!(笑) まぁそれが猫の魅力でもあるんでしょう。
 行方不明になった犬のゲンちゃんはやっぱり出てこなかったんですね。そうだろうなとは思いつつ、でも残念。
 それにしても「終生」って言う言葉が辛いなぁ。