読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

マジョモリ 梨木香歩著/早川司寿乃絵 理論社 2003年

 梨木香歩さんの絵本。

 ある朝つばきは、まじょもりからご招待を受けます。大人には「御陵」と呼ばれるその森は、昼間でも薄暗くひんやりしています。普段は入ってはいけない、と言われている神聖な場所に、つばきが思い切って入っていくと、そこには女の人がいました。女の人が勧めてくれたお菓子は「御神饌」と言って、神社の娘のつばきには食べ飽きたもの。うちのおかあさんは生クリームを挟んでくれるよ、そうすればほっぺたがおちちゃうくらいおいしいよ、というつばきの言葉に、女の人は「私、それは知らないわ」。
 つばきは家に帰っておかあさんに、まじょもりの女の人に招待されたこと、その女の人に生クリームを食べさせてあげたいことを話します。おかあさんは猛スピードで生クリームやジャムを用意、つばきに持たせてくれました。
 大急ぎで女の人の元に戻ってお菓子の用意をするつばき。するとそこに、ふたばちゃんと言う気の強そうな女の子がやってきました。ふたばちゃんは女の人を「ハナさん」と呼んで、てきぱきお菓子作りを手伝ってくれます。…

 絵は早川司寿乃さん。梨木作品では『からくりからくさ』や『りかさん』の表紙がこの方でしたね。 
 水彩絵の具と色鉛筆、だろうか。カラーインクじゃないと思うんだけど。少し昔風の、柔らかい絵。森が舞台だからでしょうか、様々な色合いの緑色がとても綺麗。これ原画見たいなぁ、綺麗だろうなぁ。
 お母さんにも小さい女の子だった時があったんだよ、その小さい女の子はまだお母さんの中にいるんだよ。梨木さんが他の作品でも描いたことのあるこのことを、優しく書くとこうなるんだな。少し意地悪な面も見えるけれど(笑)。
 とか言いながら、「いつまでも少年の心を持っていたいんだ」とか言う男の人に、いい加減大人になれや、げしげし(足蹴)とかも思うんだよなぁ(笑)。