ムコさんの名前は武辜歩、ツマの名前は妻利愛子。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う二人は、東京を離れて田舎暮らしを始めた。
うんと離れたお隣さんはアレチさん、いつもぽっかりズボンのチャックを開けていて、少し呆けの来た奥さん・セイカさんと暮らしている。もう一組のお隣さん、定年退職してこちらに移り住んだ駒井さん夫婦のところにいるのはチャボのコソクと孫の星野大地くん。大地くんは小学三年生の登校拒否児、何だかクールで大人びている。
ムコさんは駆け出しの小説家で、普段は老人ホーム「しらかば」に勤めている。幼い頃大好きだった叔母さん「ない姉ちゃん」を自殺で亡くした経験を持ち、どういう理由でか背中に極彩色の鳥を彫っている。ツマは生まれつき心臓が弱くて、周りの色々なものとお喋りできる。野良犬のカンユさんやチャボのコソクや、クモやソテツの木や、他の人には見えない女の人や。
腕に色鮮やかな痣を持つ平木直子、その孫娘で、大地に対し精一杯女をアピールする洋子、この辺りでは珍しいゴールデンレトリバーを飼う妻鹿さん、漫才師を目指していたつよし・よわしのコンビ。色々な人と知り合い夏を過ごすうち、ムコさんの本が売れてくる。ムコさんが忙しくなってくるに従って、ツマとの距離が開いて行く。特にムコさんに、一通の手紙が届いてからは。
ない姉ちゃんの身代わりのように感じたかつて好きだった女性、その夫からの手紙。ムコさんは彼女に会いに東京へ行く。不安定になるツマ、ムコさんと出会って全てがぴたりと合ったと思っていたのに。…
うんと離れたお隣さんはアレチさん、いつもぽっかりズボンのチャックを開けていて、少し呆けの来た奥さん・セイカさんと暮らしている。もう一組のお隣さん、定年退職してこちらに移り住んだ駒井さん夫婦のところにいるのはチャボのコソクと孫の星野大地くん。大地くんは小学三年生の登校拒否児、何だかクールで大人びている。
ムコさんは駆け出しの小説家で、普段は老人ホーム「しらかば」に勤めている。幼い頃大好きだった叔母さん「ない姉ちゃん」を自殺で亡くした経験を持ち、どういう理由でか背中に極彩色の鳥を彫っている。ツマは生まれつき心臓が弱くて、周りの色々なものとお喋りできる。野良犬のカンユさんやチャボのコソクや、クモやソテツの木や、他の人には見えない女の人や。
腕に色鮮やかな痣を持つ平木直子、その孫娘で、大地に対し精一杯女をアピールする洋子、この辺りでは珍しいゴールデンレトリバーを飼う妻鹿さん、漫才師を目指していたつよし・よわしのコンビ。色々な人と知り合い夏を過ごすうち、ムコさんの本が売れてくる。ムコさんが忙しくなってくるに従って、ツマとの距離が開いて行く。特にムコさんに、一通の手紙が届いてからは。
ない姉ちゃんの身代わりのように感じたかつて好きだった女性、その夫からの手紙。ムコさんは彼女に会いに東京へ行く。不安定になるツマ、ムコさんと出会って全てがぴたりと合ったと思っていたのに。…
読むのに時間がかかりました。三日くらい、と踏んでいたのに一週間近く掛かったもんなぁ。
…さて、困った。
これが面白い人には面白い作品なんだということは解る。でも私の琴線には触れなかった。これは多分感性と経験値の差。好きな人と一緒に暮らして、それが日常になって、「自分をよく見せよう」と気を張ったりしなくてもよくなって、お風呂で茹で上がった沢蟹を見つけて一番に報告したり自動販売機に入ってる毛虫を一緒に不思議がったり、と言う生活は、きっと共感を持って読める人多いでしょう。前半の日常生活はまさにそんな感じ。でも私には、たらたらエピソードが綴られるだけに思えてしまう。ただ経験値の差のせいだけじゃないんじゃないかと思うのは(あれ、負け惜しみ?・笑)、やっぱり新婚夫婦の生活を描いたけらえいこさんの『セキララ結婚生活』は、面白く読めた覚えがあるから。ええ、とても気に入って、結婚した友人にプレゼントまでしました(笑)。
で、ツマさんの感性に今いちついていけなかったことの方が大きいかもなぁ、と思っています。経血を気にしないのはまだしも、9歳の男の子に「セックスんとき」とか言い出した日にゃあ、ちょっと待てよ、天真爛漫にも程があるだろう、とぎょっとしてしまった。
散々旦那に暴力を振るわれながらも「あったかいもんがこみあげてくる」「ずーっとおりたいと思う」と言う平木直子。…う~ん、これもちょっとどうだろう;
一見幸せに見えるそんな生活の中でふと相手を遠くに感じる。気付かない振りをしながら、でも亀裂が埋まることはない。上手く言葉にもできなくて、ムコさんは家を出て行く。お互いがお互いを必要としていることは自覚しているのに、ちゃんと戻れるだろうか、と思いながら。…ここで「昔の恋人」が出て来るんだよなぁ。何か、一昔前の少女漫画を思い出しました。片思いの女の子が両思いになれたら、次の展開は必ずと言っていいほど「元カノ登場」(笑)。まぁここでこんな風に茶化すには深刻すぎる「元カノ」ではあるんですが。
小学三年生の男の子の造形があまりにも大人びているのが気になりました。…それともこんなものなんだろうか。
う~ん、やっぱり経験値の差、なのかなぁ。…もしかして私、地雷踏んでる?(笑)。
…さて、困った。
これが面白い人には面白い作品なんだということは解る。でも私の琴線には触れなかった。これは多分感性と経験値の差。好きな人と一緒に暮らして、それが日常になって、「自分をよく見せよう」と気を張ったりしなくてもよくなって、お風呂で茹で上がった沢蟹を見つけて一番に報告したり自動販売機に入ってる毛虫を一緒に不思議がったり、と言う生活は、きっと共感を持って読める人多いでしょう。前半の日常生活はまさにそんな感じ。でも私には、たらたらエピソードが綴られるだけに思えてしまう。ただ経験値の差のせいだけじゃないんじゃないかと思うのは(あれ、負け惜しみ?・笑)、やっぱり新婚夫婦の生活を描いたけらえいこさんの『セキララ結婚生活』は、面白く読めた覚えがあるから。ええ、とても気に入って、結婚した友人にプレゼントまでしました(笑)。
で、ツマさんの感性に今いちついていけなかったことの方が大きいかもなぁ、と思っています。経血を気にしないのはまだしも、9歳の男の子に「セックスんとき」とか言い出した日にゃあ、ちょっと待てよ、天真爛漫にも程があるだろう、とぎょっとしてしまった。
散々旦那に暴力を振るわれながらも「あったかいもんがこみあげてくる」「ずーっとおりたいと思う」と言う平木直子。…う~ん、これもちょっとどうだろう;
一見幸せに見えるそんな生活の中でふと相手を遠くに感じる。気付かない振りをしながら、でも亀裂が埋まることはない。上手く言葉にもできなくて、ムコさんは家を出て行く。お互いがお互いを必要としていることは自覚しているのに、ちゃんと戻れるだろうか、と思いながら。…ここで「昔の恋人」が出て来るんだよなぁ。何か、一昔前の少女漫画を思い出しました。片思いの女の子が両思いになれたら、次の展開は必ずと言っていいほど「元カノ登場」(笑)。まぁここでこんな風に茶化すには深刻すぎる「元カノ」ではあるんですが。
小学三年生の男の子の造形があまりにも大人びているのが気になりました。…それともこんなものなんだろうか。
う~ん、やっぱり経験値の差、なのかなぁ。…もしかして私、地雷踏んでる?(笑)。