読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

きものがたり 宮尾登美子著 世界文化社 1999年

 作家・宮尾登美子さんが自分の持っている着物を紹介し、それにまつわる思い出を縷々述べたもの。作者特有、高知の芸妓さんたちの衣装について書いているのも面白い。
 全てカラーで、ってのがすごい。
 以前誰かが「お金はね、さみしがりなのよ。だからたくさんあるところに集まるの」と言ってたのを思い出しました。…着物もそうかもしれない(笑)。貰い物が多い、って本人も仰ってるし。
 礼装、羽織、訪問着、花模様、紬、縞、薄物、帯、刺繍の着物、絣、色無地、絞り。見ているだけで楽しい。
 「一度も着ていない」「もう着ることはない」って言葉が結構出て来て、勿体無いな、と思ったり。
 私自身の好みも判った気がしました。訪問着や付け下げより、縞とか格子とか大正ロマン風とか、いわゆる街着的な柄の方が好きだな。…でもそうなると、本当にないんだよな(笑)。
 何しろ私は以前教わっていた着付けの先生に、「手入れの大変な絹物は欲しくない」「ウールでもポリエステルでも、汚れを気にせず気軽に着て歩けるものが沢山欲しい」と言い放って顰蹙を買った人間ですから(笑)。でも一着何十万もするものを、とてもほいほい買えませんよ。
 …で、結局着方習っただけで着てないしなぁ、着物。母譲りの臙脂の御召、好きなんだけどなぁ。