読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ドリームバスター3 宮部みゆき著 徳間書店 2006年

 『ドリームバスター』シリーズ3作目。中編三本収録。

 『赤いドレスの女』:前作でのD・P(ドリーミング・パーソン)村野理恵子の話。
 夢で会ったD・B(ドリームバスター)、シェンとマエストロに“錨(アンカー)”と言うリストバンドを付けて貰った理恵子。それ以来、何かの拍子で人の心の声が聞こえるようになってしまった。会社の同僚に誘われて行った合コンで、理恵子は赤いドレスの美女を目撃。だが、参加者の反応から、それが本当なのか気のせいなのか理恵子には自信がなくなってくる。そんな時、シェンとマエストロに出会ったという個人ブログを発見、発信者の竹内道子と会う。…

 『モズミの決算』
 今回、シェンとマエストロが追っている囚人はモズミ。彼が隠れているのは地球のタカシと言う少年。タカシは両親から虐待を受けていて、夢の中のモズミを精神的に頼っていた。シェン達も動くに動けず、お手上げ状態。モズミはタカシを、シェンたちの世界“テーラ”に連れて行ってやって欲しい、と懇願する。
 一方、他のD・Bから、D・Pの場でロボットが消失したと言う報告が上がる。…

 『時間鉱山 Part1』
 港町ミクバへ、元D・Bの伯父パーカーを訪ねて田舎から出て来た少女・カーリン。彼女が妙な噂を聞きつけてくる。D・Bの間で半ば伝説になっている奇矯な“場”、そこに残ったまま帰って来ないD・Bがいるらしい。しかもどうやらそれはシェンの友人・マッキーのようだ。噂の元・レイモンに確認に行くシェン。だが、レイモンはそんなことは丸っきり知らない、と言う。不可思議な“場”の副作用で、一時的に二重の時間を生き、情報も二重に持っているレイモン。シェンは“大災厄”を引き起こした張本人、ドレクスラー博士にこの状況を話し、その“場”――“時間鉱山”の解説を求める。
 マッキーを助け出そうと時間鉱山へ向かうシェンとマエストロ。辿り着いたそこには、ヒロムと言う少年と、自殺未遂の二人組・ユキオとキエがいた。…

 何となく浮いてた感のあった第一話目の親子が再登場。そうか、ここに繋がりましたか!
 このシリーズは山田章博さんの挿画も嬉しい♪ 宮部作品お馴染みの「可愛い男の子」も変わらず登場(笑)。
 宮部さん、やっぱりSFとかファンタジーとかの、独自の設定の説明の方法に慣れてない感じ。まだコツ掴み切ってないかなぁ。今回田舎娘カーリンが登場、彼女に話す、と言う形を取ったお蔭でかなり読み易くはなりましたが、それでも現代日本の章と比べるとかなり読書スピード落ちてしまう。普段があまりにも上手いから目立ってしまうんだろうなぁ。
 珍しく中途半端な所で終わってますね。このままラストまで突っ走るのかな。何だかんだ言っても楽しみにしてるんですよね~。