読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

デカルトの密室 瀬名秀明著 新潮社 2005年

 世界的な人工知能コンテストに参加するためメルボルンを訪れていた尾形祐輔は、プログラム開発者の中に、 10年前に夭折したはずの天才科学者・フランシーヌ・オハラという名前を発見する。
 本物なのか? 同姓同名の別人か? 訝る祐輔の前に現れたのは、紛れもなく祐輔の知るフランシーヌその人、そして彼女の姿をそっくり真似てつくられた、究極のアンドロイド「人形(ドリー)」だった。
 混乱する祐輔に、彼女はとあるゲームを提案する。各々ブースに閉じ篭った複数人間のうち、誰が人工知能なのか会場の参加者にあてさせようと言うもの。迷走するゲームの果て、祐輔は密室に幽閉され、フランシーヌは祐輔の作った子供型ロボット・ケンイチに射殺されてしまう。だが、ケンイチは語る。「ぼくは、ユウスケを殺してしまった」。―――
 フランシーヌの死の瞬間を映したビデオがネットで流れ、それ自身が増殖・成長していく。フランシーヌの「人形」を売り出した実業家・青木が殺され、その瞬間「人形」たちが同調する。フランシーヌのパートナーを名乗る真鍋が現れ、祐輔や進化心理学者・一之瀬玲奈をゆさぶる。真の意味での自律は何なのか。ロボットの自律とは。ケンイチが選ぶ自由とは――。
 (前半、表紙見返しの粗筋をそのまま写しました)

 …パトラッシュ、ぼくこのお話よくわからないよ。何だかとっても眠くなるんだ。…
 以前、瀬名さんがインタビューで、「中高生に向けての話を書いていきたい」と話していた覚えがあります。多少判らないことがあっても、そこから興味を広げて、自発的に他の本を読んでいったり、研究に進んだりするような物語を書きたい、と。…でももうすっかりオトナの私にはきつかった(笑)。
 ここにしっかり、アトムの子が、アシモフの継承者がいることは判りました。それはとてもとても嬉しかった。
 何てったってスーザン・キャルビン博士ですよ、ねぇ?(笑)