今回は私信です。祥さん、この本、お勧めです。祥さん好みだと思う。かなりボリュームあるので無理強いしませんが、面白いです。太鼓判押します。
聖遷歴1213年カイロ。ナポレオンはエジプトへ進軍していた。エジプト知事の一人、イスマーイール・ベイは、側近で奴隷でもある美青年アイユーブから進言を受ける。ナポレオンに貢ぎ物をしなさい、と。かつて、愚王を滅した書物がある。そのあまりの面白さに、愚王は寝食を忘れて読み耽り、暗殺者に囲まれても頁から目を上げもしなかった。後の世、別の原語に翻訳しようとしたが、翻訳者がやはり耽読し、書物を持って遁走した程の本、それをナポレオンに献上してエジプトの危機を回避なさい、と。その名も「災厄(わざわい)の書」。さて、実際その本はこれから創られる所だった。毎夜、アイユーブは美しい瞳の語り女の元に通う。女は「災厄の書」を譚り、男は本へ編んでゆく。フランスの軍勢は刻一刻、カイロへ近づいて来る。さて、その物語とは。…
この本を読む気があるならここから先は読まないで下さい。今回ネタばれをする気はありませんが、真っさらな状態で読む方が絶対楽しいから。
第一部は妖術師アーダムの物語。とある王家の第六王子に生まれながらその醜さゆえ全く愛情を注がれず育ち、その憎しみを糧として異教徒の蛇女神ジンニーアと契りを結び、稀代の妖術師、魔王となる。だが愛したジンニーアの裏切りを知り、彼女や都もろとも地の底に、一千年の眠りに就く。
第二部は魔術師ファラーの物語。欠色(アルビノ)の子ファラーは森の民に拾われ、美しく誇り高く育つ。長じて自分が部族の血を引いていないため魔術師になれないと知り絶望、ならばとただの人間でありながら妖術師として伝説にまでなったアーダムの痕跡を尋ね、諸国を渡り歩きあらゆる魔術を極める。
第三部は美丈夫サフィアーンの物語。前王の子ながらその素性を知らず拾われ子として育ったサフィアーンは、持ち前の善なる性格で盗賊だった養い親まで感化する。16歳の誕生日、王家に伝わる魔剣から自分の本当の身分を知り、恋する王女ドゥドゥと結ばれるため地下迷宮の魔王退治に向かう。その頃ドゥドゥは復活したジンニーアに取り憑かれていた。一千年の時を経て三人の主人公が邂逅し、運命が回り始める。…
第二部は魔術師ファラーの物語。欠色(アルビノ)の子ファラーは森の民に拾われ、美しく誇り高く育つ。長じて自分が部族の血を引いていないため魔術師になれないと知り絶望、ならばとただの人間でありながら妖術師として伝説にまでなったアーダムの痕跡を尋ね、諸国を渡り歩きあらゆる魔術を極める。
第三部は美丈夫サフィアーンの物語。前王の子ながらその素性を知らず拾われ子として育ったサフィアーンは、持ち前の善なる性格で盗賊だった養い親まで感化する。16歳の誕生日、王家に伝わる魔剣から自分の本当の身分を知り、恋する王女ドゥドゥと結ばれるため地下迷宮の魔王退治に向かう。その頃ドゥドゥは復活したジンニーアに取り憑かれていた。一千年の時を経て三人の主人公が邂逅し、運命が回り始める。…
この春までやっていたTV番組「爆笑問題のススメ」で太田光氏が絶賛していた作品。その厚さにちょっと躊躇いましたが、太田さん信じて(笑)えいやっと手に取りました。
…大当たり! やっぱりあの番組終わったの惜しいなぁ。
サウジアラビアの本の翻訳物らしいんですが、あちこちの民話、説話を集めて練り合わせたにしては齟齬がない。あそこの話がここへ、そこの挿話がこちらへ繋がる爽快感。迷宮の出来方、そこに魔物が集ってくるありさま、主人公たちの心の動きや行動にまるで無理がない。登場人物の話し言葉が安っぽいのが気になりましたが、最後、現在まで巻き込んで話が完結するに当たっては、もう「読めて(出会えて)よかった」としか言えないよ(笑)。
久しぶりに「物語」の面白さを味わった逸品でした。
…あ、でも私はちゃんと寝食しました(笑)。
…大当たり! やっぱりあの番組終わったの惜しいなぁ。
サウジアラビアの本の翻訳物らしいんですが、あちこちの民話、説話を集めて練り合わせたにしては齟齬がない。あそこの話がここへ、そこの挿話がこちらへ繋がる爽快感。迷宮の出来方、そこに魔物が集ってくるありさま、主人公たちの心の動きや行動にまるで無理がない。登場人物の話し言葉が安っぽいのが気になりましたが、最後、現在まで巻き込んで話が完結するに当たっては、もう「読めて(出会えて)よかった」としか言えないよ(笑)。
久しぶりに「物語」の面白さを味わった逸品でした。
…あ、でも私はちゃんと寝食しました(笑)。