読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

海賊島事件 the man in pirate's island 上遠野浩平著 講談社ノベルス 2002年

 ネタばれあります…いや、これがネタばれになるのかどうかすごく疑問ですが。
 ダイキ帝国の夜壬琥姫は〈落日宮〉と呼ばれるサロンでずっと人を待っていた。その待ち人がようやく現れたと言うのに彼女は面会せず、翌日、死体で発見される。彼女は水晶の中に閉じこめられて殺されていた。容疑者は芸術家スキラスタス。何も無い所から水晶の彫像を作り出す魔導彫刻家。彼は夜壬琥姫が発見されるや否や〈落日宮〉を飛び出し、治外法権地〈ソキマ・ジェスタルス〉-通称海賊島-へ逃げ込む。彼を引き渡すよう要求するダイキ帝国艦隊とそれを拒む海賊島側。調停役として選ばれたのはカッタータ国の女士官リーゼ・レスカッセ。リーゼは「風の騎士」ことヒースロゥを護衛に海賊島に乗り込む。一方殺人事件の解明には七海連合エドワード・シーズワークス・マークウィッスルが派遣される。…
 ええと、それで、夜壬琥姫を水晶詰めにしたのは結局誰なんでしょう? あらゆる魔法を封じる部屋に姫はいた訳ですが、そこに入れたのは体中に魔法を無効化する呪文を彫り込んでたムガンドゥ三世だけ、と考えて宜しいんでしょうか? でも水晶化魔法はスキラスタスしか使えないんですよね?? なのにスキラスタスは犯人ではない、と。…うぬぅ;
 上遠野さんの作品は「ブギーポップ」シリーズの第一作を読んだ切り、久しぶりです。あの作品の、事件に関わった人達がそれぞれの視点でその事を思い出す、と言う構成は面白いと思いました。登場人物には出来事の断片しか判らないけど、読者は全て判る、と言う。ただ、文章は多少難ありだなあ、みたいな(笑)。今回も「え?」って思わず読み返した所が何カ所かありました。「蜃気楼呪文を転用して、その姿を外から見えないようにされていたのだ」。…「その姿が外から見えないようにされていたのだ」もしくは「外から見えないようにしていたのだ」じゃないかなあ。「後からクリームで焼いた魚をくるんだ」より「焼いた魚を後からクリームでくるんだ」方が誤解ないと思いますが。ただ、ヒースロゥが大海蟲やっつける辺りのアクションとかは面白いんだよなあ。
 どう考えても続編ありそうなんですが、さてどうしたものやら;