読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

13 古川日出男著 幻冬舎 1998年

 橋本響一は左目のみ色盲に生まれついた。左右で違う視界を見、自然処理する行為により独特の色彩感覚を持つ天才児に育つ。ザイールから叔父が連れてきた黒人少年ウライネとの交流でジャングルに興味を持った響一は、中学卒業後ザイールに留学し、熱帯雨林の鮮やかな色合いに魅了される。
 ローミは焼畑農業を営む村に生まれた。幼い頃ジャングルの中で白人ゲリラ兵に出会った彼女は、記憶の中に英語での聖書の一節を刷り込まれる。すっかり忘れていた筈のそれは、村を訪れた宣教師の言葉で甦る。ローミは神の使いとして祭り上げられる。
 ジャングルの中で狩猟民族として暮らしていたウライネ達とローミ達農耕民族との確執、カソリックの普及による宗教上の混乱、貧困などの政治問題に巻き込まれ、響一の目の前でウライネは殺される。数年後、響一はその才能を生かし、ハリウッドで映画作りに参加していた。ローミは救い児の母になっていた。…
 読むのに時間がかかりました。確かに私、読むのは遅い方なんですが、これは辛かった。話が終わらないのならいい、進まないんですよ; 三日かかって半分まで行かず、飛ばし読みを決意。ああ、ピグミーチンパンジーの生態説明してるなでばっさり、教会でお説教してるなでばっさり、映画監督にインタビューしてるなでばっさり。こういうのは状況の説得力とかキャラクターの性格付けとかで必要なのかもしれませんが、でも、決して全部はいらなかったと思う。最後結局響一は天使を色彩で表現して、それで?って感じだし。ローミやその子供の行く末の方がよっぽど気になるんですけど。…もしかして作者、続編を考えてたのかしら; 何かやたら食べ物の記述が多い小説だったなぁ。