読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

完全演技者 トータル・パフォーマー 山之口洋著 角川書店 2005年

 多少ネタばれします、すみません;
 1980年代、僕・飯野修はロックに魅せられ、東京でセミプロバンドのボーカリストをやっていた。どのバンドにも満足できずすぐ飽きが来ていたが、アメリカの新進ロッカー、クラウス・ネモのアルバムに心揺さぶられる。恋人サラの後押しを受けて単身NYに渡った修は、クラウスとその仲間達に会い、日常生活も全てプロディースする完全演技者─トータル・パフォーマーとしての彼らに激しく魅了される。クラウス・ネモは何故か修を特別扱いし、バンドへと誘う。…
 私はこの作家さんの作品に、どうしてこう肩入れできないんだろう;
 前作「瑠璃の翼」は“資料が消化しきれなかったね”と思ったし(何しろ第二次世界大戦の日本軍中国駐留部隊空軍を描いた歴史ものだった)、「われはフランソワ」は“こういう系統の作品はよっぽどでないと佐藤賢一にゃ勝てないよ”と思ったし。
 今回の理由の一つはまぁ察しがつきます。私に洋楽への興味がない事でしょう(笑)。それでもクラシックに興味無くても「のだめカンタービレ」は面白いし、浮世絵わからないけど高橋克彦の浮世絵シリーズにも引っ張り込まれたので、それが絶対の理由ではないと思います。…何なんだろうなぁ;
 今回、とりあえず話の詰めは甘いと思いました。主人公、あれは感染しているべきでしょう、っていうかするはずだし。いつ発病するか判らない時限爆弾を身内に抱え、完全演技を遂行しつつ、永遠のクラウス・ネモを維持するため次の候補者を探す…ってのが妥当なラストではないかしらん。どうしてああいう形で終わったのかなぁ、感情移入しすぎて登場人物を殺せなくなるタイプの作家さんではないと思うんだけど。