読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

キノの旅-the Beautiful World- 時雨沢恵一著/黒星紅白イラスト メディアワークス電撃文庫 2000年

 ネタばれしてます、すみません;
 キノと名乗る人間とエルメスと呼ばれる言葉を話す自動二輪車が、一緒に旅をする連作短編集。どの国にも三日間しか滞在しない。その三日間の物語。
 以前この作品のアニメを見て、「あ、面白い」と思っていました。機会があれば原作も読んでみよう、と。一巻にあるのは
「人の痛みが分かる国」‥他人の心の中が分かる薬を発明してしまったために人と触れ合えなくなく           
            なってしまった国の話
「多数決の国」‥専制君主に革命を起こし、全ての物事を多数決で決めるようになった国の話
「レールの上の三人の男」‥旅の途中で会ったレールを磨く男・外す男・敷く男の話
「コロシアム」‥旅人に決闘させ、勝者に市民権を与える国の話。
「大人の国」‥「キノ」とエルメスの出会いの話。…これ、アニメでは大人のキノを井上和彦さんが
       やってたんだよな~♪
「平和な国」‥戦争を回避するためにタタタ人虐殺と言う方法を考え出した国の話。…
 まずあとがきを読んで好感度アップです。私もあとがきから読むたちなので(笑)。
 いわゆる寓話集。全てが淡々と語られます。話自体にそれほど新鮮味はないと思うんですが(さんざんヒネてる私なんかにはオチが読める話もあるし)、切り口次第で魅せることができると言う見本みたいな感じ。
 何よりエルメスがいい。私こういうのに弱いな~、「ナイトライダー」のナイト2000も本気で欲しかったもの。勿論声は野島昭生さんで(笑)。
 驚いたのはこのお話特有の単語の説明。「モトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)」なんて堂々と書いてある。まあ潔いこと!(笑)。昔懐かしい翻訳物を思い出しました。異世界の物語を日本語に訳しました、って雰囲気でお話によくあってる。でも裏技やね(笑)。
 しかしライトノベルはイラストの役割大きいな~;