ネタばれあります、すみません;
記者上がりの探偵 前沢恵子は、ある老夫妻から「いるかもしれない孫を探してくれ」という依頼を受ける。十数年前に死んだ依頼者の息子 麻生敏弘と交際していた女性は、お腹に子を宿していたかもしれない、と。彼女 中沢ゆかりはかつて新興宗教「夢見るハーブの会」に帰依しており、教団施設で集団生活を送っていたらしい。前沢はその教団で十五年前、原因不明の集団死事件が起きていたことを知る。
同じ頃、以前所属していた週刊誌からのルートで、若い男性の突然死が続いてること、スクープを狙った調査への協力を依頼された。「夢見るハーブの会」との奇妙な共通点に気付く前沢。突然死した男性たちが直前に、深層から掘削された南極の氷を口にしていたことを知り、その分析を物理学者 露木眞也に依頼する。露木は麻生敏弘の友人であり、十五年前の集団死の検分を行った人物でもあった。
生前、「ヴォイニッチ・マニュスクリプト」に心奪われていたという敏弘。奇妙な植物の育成に傾倒、中沢ゆかりも協力していたようだ。
恵子は、画像検索で、ゆかりと似た風貌の占い師を見つける。彼女の調査に乗り出した頃、秩父さくら湖 浦山ダムに大量のアオコが発生していた。南極の氷から派生したシアノバクテリアが、死体を介して湖に異変を起こしていたのだ。それは周囲の村民の大量死をも引き起こした。
折しも大量の雨風が東京近郊を襲う。ダムからアオコが放水されたら、人類の存亡に関わりかねない。露木や前沢は、信者中ただ一人生き残った中沢ゆかりの中に 対抗策があると信じ、彼女が敏弘と共に育てていたという植物のある場所 第六台場に向かう。…
鈴木さんの作品を読むのは久しぶりです。かつて『リング』をブームになるかなり前の時期に読み、友人連中に「面白い本を読んだ」とオチまで含めて喋り倒して(←こらこら)、リングウィルスを広めたのは私の中の密かな自慢(苦笑;)。
ただ、ある頃から、鈴木さんの作品に首を傾げることが多くなり、長くブランクが空くことになりました。今回、何だか評判がいいので手に取ることに。
なるほど、これは話の展開が『リング』の頃に戻ったよう。幾人もの不審死からその関連を探り、真相に辿り着く。作者きっと『サピエンス全史』読んだのね、と思いましたが参考文献にはありませんでしたね(笑)。農作物を育てているようで使役されているのは人間だ、というのは『サピエンス全史』の中にもありましたものね。
ちょっと都合がよすぎないかと思う箇所もあり、科学的説明箇所は「長い!」とざっと読み飛ばし(←おい;)。クライマックスは派手でしたね、なかなか視覚に訴えられました。娘があんなになったら普通心配するだろう、恐怖の対象になるかもとも思うのにあの明るさ。
やっぱりちょっと首を傾げる所はありましたが、面白かったです。