善人長屋シリーズ4作目。
ネタばれあります、すみません;
白狐
質屋の千鳥屋に、商家の女房 お逸が飛び込んで来た。切羽詰まった様子で、なんでも白狐の根付がなくなってしまったのだとか。千鳥屋なら失せ物を探し出してくれる、と加助に聞いて来たらしい。12、3年前のほんの一時、江戸を騒がせた盗賊の白狐、その頃 嫁入り前だったお逸が首を括ろうとした現場に現れて、その根付を握らせてくれ、以来護符のように大切にしてきたという。他人が盗むにしてもおかしな状況に、お縫たちは首を傾げる。
三枚の絵文
新九郎は、深川の岡場所の娼妓や子供に文字を教えている。そんな彼の懐に、絵文が入っていた。続けざまに三枚、どうも助けを求めているように読める。一体誰に、どんな危機が迫っているのか。新九郎たちは、文ではなく絵文であるところに、差出人の手掛かりがある、と推測する。
籠飼の長男
菊松とお竹夫婦が湯治から帰って来た。ついでに、子供も一人連れてきた。旅の途中で出会ったその子は、奉公先に見限られ、道端で腹痛に苦しんでいたらしい。だが、その裏にある境遇を、夫婦は見抜いていた。身寄りのない子供たちを操って、旅人から金品を盗ませている一味がいるのだ。子供たちを救うために、長屋の人々は一計を案じる。
庚申待
掏摸の安太郎が、一枚の札を前に悩んでいる。博奕カルタの一種と思われたが、どうにも引っかかるようだ。折も折、加助が 身投げした女を助けて長屋に連れてきた。彼女も似たようなカルタを懐に忍ばせていた。
白狐、ふたたび
白狐が再び現れた。だが今回は、五間堀の武家屋敷の門前に白狐の札が貼られていただけ、被害は起きていないらしい。そんな折、加助は偶然、旅役者の丹平と十数年ぶりに再会する。丹平は、幼い頃に生き別れた姉を探しているらしい。
牧谿の猿
丹平がその昔いた白狐一座は、子供を次々と使い捨てにする旅芸人一座だった。お払い箱になった丹平と共に、姉は一座を逃げ出し、しばらく丹平を養っていたらしい。姉はどうやって稼いでいたのか、彼女が白狐ではなかったか。お縫は白狐最後の盗みの被害者に出会い、盗まれたのが牧谿の猿の掛け軸であること、その画に執着していたお武家がいたことを聞く。…
改めて思うに、不審なことが起きた時に、その関係者と加助が出くわす確率がとにかく高い。まぁそれも加助のヒキの強さ、ってことでしょうか(苦笑;)。
女子供を食い物にする輩のまぁ多いこと。丹平の姉もそのままでいれば春を売るしかなかったでしょうし、幸せな結末にはなかなかならなかったでしょうね。
絵文の謎解きはちょっと苦しかったかな、私は絶対解けなかったな(笑)。
何にせよ江戸時代のハングマン、面白かったです。