読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

鬼平犯科帳[決定版](九) 池波正太郎著 文春文庫 2017年

 シリーズ9冊目。

 雨引の文五郎
 かつて、自分の人相書きを役宅の長谷川平蔵に送り付け、行方をくらました雨引の文五郎。町中で奴を見かけた平蔵は、こっそり後をつけることに。所が、同じように文五郎を追っている男の存在に気付く。男――落針の彦蔵は文五郎との跡目争いに敗れ、文五郎を恨んでいるらしい。一旦は彦蔵を捕えたものの、平蔵はわざと彦蔵を逃がし、文五郎の居場所を探ることにする。

 鯉肝のお里
 おまさが[大根や]という飯屋で見かけた女は、鯉肝のお里と呼ばれる女賊だった。若い男をもてあそんでいると誤解されて飯屋を追い出されたお里を、おまさは大滝の五郎蔵と共に長く見張ることになる。おまさは、今は煙管師になっている元盗賊 長虫の松五郎の宅に身を寄せていた。

 泥亀
 元盗賊 泥亀の七蔵は、昔世話になった牛尾のお頭が亡くなり、そのおかみさんと娘が困窮していると聞いていてもたってもいられなくなる。だが七蔵は持病持ちで、思うように動くこともままならない。金を稼がねばと気ばかりが焦る。

 本門寺暮雪
 芝、二本榎の細井家を訪ねることにした平蔵。途中、井関録之助が「凄い男」をつけている現場に出くわす。「凄い男」とは、以前 暗殺仕事を断った録之助を襲い、重傷を負わせた剣客。二人の因縁に、平蔵も一枚嚙むことになる。

 浅草・鳥越橋
 [引き込み]として浅草の蠟燭問屋[越後屋新右衛門]に住み込んでいた風穴の仁助は、押切の定七から、恋女房 おひろがお頭 傘山の瀬兵衛と良い仲になっている、と聞かされた。たまらず深川の家を訪ねてみると、おひろの姿が見えないどころか、家まで釘付けにされている。実は定七は仁助を騙し、瀬兵衛を陥れ、三好屋幸吉こと白駒の幸吉と組んで越後屋を襲おうとしていた。だが、嫉妬に狂った仁助は思わぬ行動を起こす。

 白い粉
 長谷川家に勤める料理人 勘助の味付けがこの頃どうもおかしい。勘助は博打の借金のカタに女房を攫われ、代償として平蔵の料理に白い粉を入れるよう脅迫されていた。

 狐雨
 新しく部下になった青木助五郎は、よく手柄を立てていたが、一方でよくない噂もあった。どう考えても収入にあわない茶屋に出入りしているらしい。身元を調べていたところ、青木自身が平蔵を訪ねて来た。言動、振る舞い共におかしく、どうやら狐に憑かれているようだ。…

 特別収録[私の病歴]エッセイ 痔用体操のすすめ

 おう、おまささん結婚したのか!と驚いた第9巻。
 結局[凄い男]は名前も分からないまま、その後色々判明するのかしら。とりあえず、平蔵は愛犬クマを手に入れました。
 泥亀の七蔵の苦しみはどうやら作者本人の実体験から来ているようで、いや~、大変だったのねぇ(笑)。それをバラすようなエッセイを同じ本に収録するのは、意地悪いような気がしないでもない(苦笑;)。
 狐憑きにも動じず相対する久栄さん、見事です。『鬼平犯科帳』にこんな毛色の違うホラーじみた話も入っていたとは知りませんでしたよ。今だと「良心の呵責に耐えかねて…」ってことになるのかな。
 次巻に続きます。