奈良県ゆかりの作家四人が城崎温泉を訪れた、旅の思い出の刊。
ネタばれになってるかも、すみません;
城崎にて あをにまる
コロナ禍の最中、二人の紳士が奈良から城崎温泉を目指して、車で山中を飛ばしていた。だが12月の雪の中、道に迷ってしまった。道中、飢えたサルを助けたりしながらもようやく見つけた蟹鍋温泉旅館、無人のフロントに奇妙な指示の書かれた案内板、でもコロナ禍だからこんなのものなのかな、やたら消毒液からポン酢の匂いがするけれど…。
城崎にて 円居挽
大学生協のPR誌の次期編集長の座を巡って、城崎温泉の合宿に来た。現編集長の先輩に固ゆで温泉卵を持っていくことが条件、「わたし」襟川は何としても編集長になりたい、例え書く記事書く記事次々ボツを食らおうとも、同学年の鳴沢が圧倒的実力を持っていようとも。
城崎にて 草香去来
かつて城崎温泉には、パンダのいる動物園があった。
何のことはない、白くまの着ぐるみに塗装を施した見るからにできそこないのパンダ、その中に「わたし」大輔は入っていたのだ。結局つぶれてしまうその動物園に、足しげく通い、パンダに自分の作った物語を話して聞かせる少女がいた。
城崎にて 森見登美彦
温泉小説家 有馬乙彦はじめとする三人の小説家と一人の出版人が、城崎でたらふく蟹を食い、外湯を巡り、こっくりさんに興じていたところ。出版人に志賀直哉の霊が降りてきてしまった。的を射た批評でさんざん叱責される小説家たち。出版人は温泉から出て、ふらふらと歩いていく。放っとけないと後をつけていくと…。
森見登美彦さんの名前につられて借りた一冊。他の三名は、すみません、存じ上げない作家さんでした;
城崎温泉か~、いいなぁ、行きたいなぁ、でもお高いんだよなぁ。…という訳で、さんざん蟹を食べている皆さんを羨ましく拝見しました。奥付によると蟹五杯を食べた方もいるようで、そりゃ蟹塚も必要でしょうよ、供養に行かないと祟られるわ;
三者三様、パロディになる人もいれば、青春小説になる人もいれば、ホラーになる人も。作家という職業が絡んでくるのは、やっぱり城崎が舞台だからなんでしょうね。
ここまで読んでも、原典の志賀直哉に当たる気にならないんだよなぁ(苦笑;)。学生時代に読んどきゃよかった、と思うことこの頃 頻繁です。