『八咫烏』シリーズ10冊目。
ネタばれあります、すみません;
絶対権力者・博陸侯の後ろ盾のもと、八咫烏が支配する世界〈山内〉を統べる金烏代となった凪彦。その妃候補として〈登殿の儀〉に臨むのは、南家の蛍、北家の鶴が音、東家の山吹、西家の桂の花。しかし下級官吏として働く絶世の美女澄生の存在が周囲をざわつかせる。
案の定、澄生は凪彦の目に留まった。澄生は閑職とも言える綺羅絵の検閲の見習いに就いていて、絵師や絵草子屋の男どもを手玉に取る勢い。指導役に就かされた俵之丞は頭を抱えている。澄生は博陸候の、貴族の横暴を許した対応や強引に谷間を治めたやり方に疑問を抱いていて、凪彦の求めに応じ、平民が受けている理不尽な扱いを語った。
やがて、澄生は朝廷が認めた以外の絵、野良絵を刷ろうとした罪で捕縛される。貴族の罪状を朝廷内に知らしめようとしたのだ、と詭弁を繰り広げ罰は免れるが、代わりに入内するよう命令が下った。だが、澄生はそれに従うことなく、滝壺に身を投げる。… (表紙折り返しの紹介文に付け足しました)
アニメも始まった『八咫烏』シリーズ、雪弥の声が女性で驚きました。…どこまでアニメにするつもりなのかな。
放送があるたび「雪弥かわいそう」の言葉がトレンドに上がる昨今、でもそんなもんじゃないよ、もっともっと可哀そうになるよ、と妙にほくそ笑んでしまう(←何故!?w)
で、やっぱり今回も雪弥可哀そう、なのでした。すっかり悪役が身について、一人で全部背負って。もう一度金烏に会うことも、願ってはいない。…まぁこっぴどく裏切られたからね;; 何も知らない凪彦が、なまじ性格よさそうなのも悲劇ですね。
澄生がなかなか逞しい性格してるのも驚きました。いや、健気にまじめに階段を上がっていく『彩雲国物語』をやるんだろうか、と思っていたらもっと狡猾だった(笑)。でも胸のすく思いはしましたね。もう凪彦の方が囚われのヒロインで澄生がそれを救い出すヒーローだよ、でも恋愛感情は起き難そうだな。
さて、外界の権利云々の話が雪弥に伝わりました。どうやってお話を収束するつもりなのか、まだ見えて来ません。
次巻に続きます。