読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

薔薇のなかの蛇 恩田陸著 講談社 2021年

 変貌する少女。呪われた館の謎。
 「理瀬」シリーズ、17年ぶりの最新長編!

 英国へ留学中のリセ・ミズノは、友人のアリスからソールズベリーにある「ブラックローズハウス」と呼ばれる薔薇をかたどった館のパーティに招かれる。そこには国家の経済や政治に大きな影響力を持つ貴族・レミントン一家が住んでいた。美貌の長兄・アーサーや、闊達な次兄・デイヴらアリスの家族と交流を深めるリセ。折しもその近くの環状列石では、首と胴体が切断された遺体が見つかり「祭壇殺人事件」と名付けられた謎めいた事件が起きていた。このパーティで屋敷の主、オズワルドが一族に伝わる秘宝「聖杯」を披露するのでは、とまことしやかに招待客が囁く中、悲劇が訪れる。屋敷の敷地内で、真っ二つに切られた人間の死体が見つかったのだ。さながら、あの凄惨な事件をなぞらえたかのごとく。オズワルド始めとする一族宛に送られた「聖なる魚」からの脅迫状、アーサーの叔父ロバートに毒が盛られ、犬と人間が爆発で吹っ飛び、そしてオズワルドは聖杯と共に姿を消した。
 事件の真相を、ヨハンが見抜く。…  (出版社紹介文に付け足しました)

 理瀬が、グレイの、タイトスカートのスーツ着てる…!
 いや、違和感ばりばり(笑)。理瀬は制服か、ゴスロリ風味のドレスでないと!(←偏見)。
 すっかり大人になった理瀬にまずびっくり。美術史を専攻しているとか、まぁ大きくなって…!(感涙) いや、物語世界からすると数年なんですけど。
 面白かったです。そうそう、恩田さんはこれでないと、ってゴシックな世界。ウィスキーに砒素入れたの誰?とか思いましたが、それ以外のミステリ部分は解明されたし。あと、アマンダの正体には素直に驚きました。
 恩田さん特有の「あるある」も健在、嬉しくなってしまう。「コピーで読むと、原典が伝えようとしているはずの情報のかなりの部分がこぼれ落ちるんだよ」。…成程、確かに。
 アーサーと理瀬の関係は思わせぶりに終わりました。続き書いてくれるのかな、恩田さん。17年より間空くのかなぁ; 待つんですけどね。