読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

エチュード春一番 第三曲 幻想組曲[狼] 荻原規子著 角川文庫 2021年

 シリーズ三作目。
 ネタばれになってるかも、すみません;

 子犬の姿をした八百万の神・モノクロと暮らす大学生の美綾。読んだばかりの『将門記』の話をモノクロにしていると「その時代を見たくはないか」と言い出した。モノクロも将門の名には覚えがあるが、はっきり思い出せないので確認したいらしい。ついでに連れて行ってくれるということで、美綾の意識も10世紀に飛ぶことに。
 将門は丁度父親を殺されたばかり、その犯人もはっきりとはわからないまま領地相続について継母と揉めていた。父の土地は弟に譲って、将門自身は新しい領土を開墾しようと計画する穏やかさ、だが伯父は将門を討とうとしているらしい。少し前までは娘を嫁がせる話まで出ていたというのに。
 将門の周囲は不穏な空気に満ち、モノクロは何者かの怨霊が左右しているせいだという。蝦夷の地から将門を護るため派遣されていた少女ユカラも巻き込まれた。やがて、”えやみ”と呼ばれる邪悪な呪術が絡んだ争いが起きる。将門はその影響を受け、同族を殺そうとしていた。ユカラは「山の民」である狼たちと共に戦場へ向かう。…

 平将門についての知識はあまりなく(おかしいな、何冊か小説読まなかったっけ・苦笑:)、そうか、血縁関係こんな感じなのか、こんな背景があったのか、と読みました。
 お話自体は面白かったんですが、シリーズとして唐突な感じは否めず; あれ、前までこんな、時空を旅するような展開あったっけ??と首を傾げました。どうも全体像が見えてこないなぁ、どういうお話になるんだろうなぁ。まぁ、続きが出たら読むんですけどね(笑)。
 あと、何だか美綾に好意が持てないのは何故なんだろう(苦笑;)。