読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

世の中と足並みがそろわない ふかわりょう著 新潮社 2020年

スマホ画面が割れたままの女性、「ポスト出川」から舵を切った30歳、どうしても略せない言葉、アイスランドで感じる死生観、タモリさんからの突然の電話……。
どこにも馴染めない、何にも染まれない。世の中との隔たりと向き合う “隔たりスト”ふかわりょうの、ちょっと歪(いびつ)で愉快なエッセイ集。
その隙間は、この本が埋めます。   (出版社HPより)

 深夜ラジオでだったかな、紹介されていたそうで興味を持った一冊。
 その昔、ふかわさんがTVで「育ちの良さ」を揶揄られていた姿に、理不尽さを感じてたことがありまして。引け目を感じずもっと堂々としてたらいいのに、と思っていたこともありまして、というのは、からかわれる内容は違っても、ちょっと自分に重なる部分があったので。でもそこでいじられてしまうのが任なんだろうなぁ。ご本人も出川さんから「ポスト出川」と言われて方向転換してるんだから、そこで生きていく事はできない、もしかしたら不本意だと言う思いはあったんでしょう。
 ふとした折に感じる親の愛情、ラジオへの想い。繊細で面倒くさい、愛すべき性格。バーターの語源やDJの役割も初めて知りました。
 ただ、女性への「1回目でカローラの魅力に気付け」って言葉には反論するなぁ。男性の方こそ、いつまでも高望みしてる人いるじゃん、って。女性の方が2回目でも気付く人がいる分マシでしょ、って。これは、女性の方が、価値に占める若さの割合が高いからなんだろうなぁ。
 ご本人が気に入らない本のタイトル、アシモフも題名については『黒後家蜘蛛の会』で散々愚痴ってましたっけ(笑)。でもこの装幀、表紙にちりばめられた羊の絵、編集者さんの愛情をほんのり感じるんですけどね。