「小市民」シリーズ。連作短編集。
ネタばれになってるかも、すみません;
巴里マカロンの謎
高校一年の秋、小山内さんに連れられて、新しくオープンしたマカロン専門店パティスリー・コギ・アネックス・ルリコを訪れた「僕」小鳩常太郎。マカロン三つセットを頼んだ筈なのに、気付くと小山内さんの皿には四つ乗っていた。しかも四つ目には指輪が挟んである。誰が何故四つ目のマカロンを置いたのか。小鳩君は早速思考を巡らせて可能性を考え、小山内さんは行動に移る。
紐育チーズケーキの謎
マカロンの一件から、小山内さんはマカロン専門店のパティシエの娘 古城秋桜に懐かれてしまった。彼女の通う中学校の文化祭に招待され、お手製のニューヨークチーズケーキをご馳走になる小山内さんと小鳩君。その後、古城さんと行動を共にした小山内さんは、柔道部の男子たちに絡まれ、拉致されてしまった。彼らの持つCDを隠してしまったらしい小山内さん、わずかな時間の間に、キャンプファイアーの周りのどこに隠したのか。どうやら小鳩君は、小山内さんからの伝言をヒントに探さねばならないらしい。
伯林あげぱんの謎
年の終わり、アンケートの回答用紙を手に新聞部を訪れた小鳩君。所が新聞部には険悪な雰囲気が漂っていた。話題の新作菓子ベルリーナー・プファンクーヘンを皆で試食、一つだけマスタードが入っていたロシアン揚げパンだった筈なのに、誰もそれに当たらなかった、と主張しているらしい。嘘をついているのは誰なのか、小鳩君は聞き込みを始める。
花府シュークリームの謎
古城さんが停学になった。行ってもいない年越しパーティーに参加した、と決めつけられたと言う。教師が示した証拠写真には確かに古城さんが写っている。誰が合成写真を作ったのか、データを手に入れることができたのは。…
個人的に、同じ作者の作品を立て続けに読むことを できれば避けたいと思ってるんですが(以前それをやってその人の文章に飽きてしまったことがあったので;)、米澤さん二連発になりました; 作風全然違うからきっと大丈夫よね(苦笑;)。
11年振りの新刊だそうで、でも私はこのシリーズ最近読み始めたばかりなので、続刊のありがたみはあまり分からず読みました。(←おい;)
時系列的には続き、じゃないのね。まだ二人の互恵関係が順調に続いていた高1の秋から冬にかけてのお話。
ミステリとしては多少無理がないかい、と思いつつ。…いや、やっぱりCD燃えてしまうだろうとか小山内さんがマカロン置かれた理由とか。『伯林あげぱん』なんか最初のページで食べた人は丸わかりで、あとはどれだけ回り道を楽しむか、みたいな(笑)。
最後にお菓子いっぱいの部屋でもてなされる小山内さん、よかったねぇ。こんな幸せな終わり方もあるなんて意外(笑)。でもこちらも嬉しくなりました。
二人の本当のその後もいつか書いて貰えるのかな、気長にまちましょうか。