読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

のっけから失礼します 三浦しをん著 集英社 2019年

 2014年~2019年まで、雑誌「BAILA」に連載されたエッセイをまとめた一冊。書き下ろしも有り。

雑誌「BAILA」での連載に、紀州パンダ紀行など、とっておきの書き下ろし5本を加えた「構想5年!」(著者談)の超大作(?)エッセイ集。
タクシーで運転手さんと繰り広げられる面白トーク、漫画や三代目 J Soul Brothers への熱き想い、家族との心温まるエピソード……。
ありふれた日常がこんなにも笑い(ときどきほろっと)に包まれているなんて!
当代きっての人気作家、三浦しをんワールドが炸裂する、抱腹絶倒の1冊。
                    (出版社HPより)

 2019年8月10日 第一刷発行、8月31日 第二刷発行。…勢いすげーなー(笑)。
 しをんさんのエッセイ、相変わらず面白い! 何度笑いを堪えたことか!! 分かってるんですよ、どのエピソードも盛って話されてるんだってことは、でも…!
 しをんさん、そんなに人間として大きくなられたのかしら。時々雑誌とかでお見掛けする限り、そんなとも思わないんですが。でも着物の紋がせり上がってるとかスカートがきついとか(店員さんの「天ぷらのせいですよ、お客さま」には本気で吹き出しました)、エピソードが色々リアルで。私も力づけられました、そうか、ファスナー三分の二上がればいいのか…!(←おい;)
 周囲の方も可笑しくって、お馴染みのご家族の皆さん筆頭に、自分の野球人生考えてらっしゃる編集さん(女性)とか(そう言えばマツコ・デラックスさんも「フィギュアスケーターの自分」や「テニスプレーヤーの自分」を妄想してる、って仰ってたっけ)、なにを食べても腹が痛くなるマッサージ師さんとか(これは少し分かる。私もお腹弱めなので;)。
 気の利かない政治家やあまりにもせこい元都知事田中角栄と比較するくだりもありましたね、「百万円ぐらいはポンとくれたはずだ!」の一文に「それ、いいなぁ!」と思わず唸ってしまいました。…マジで羨むなよ、自分…。
 ネーミングセンスも相変わらず絶妙で、「もんだ眠」だの「子どもの夢は茶葉のように迅速に摘みまくる派」だの「不如意棒」(確かに「意の如くならざる棒」かも・苦笑;)だの、よく思い付くよ、凄い大喜利力だよ。テーブルコショウを使用していたしをんさんへのお友達の表情「やんぬるかな」は、まさしく!目の前に浮かぶ描写でした。
 アニメや漫画の『ハイキュー!』にしても舞台『ポーの一族』にしても、自分の好きなものを全力で紹介してらっしゃるんですが、その中でも溢れるサービス精神。マメさが欠けてる、と仰ってますが、きっとそんなことはないよなぁ。
 そうそう、歌舞伎「三人吉三」は丁度『紅蓮の雪』でも劇中劇として出てきてましたね。何か時々こういう縁のあることってあるよなぁ、と思ったのでしたよ。
 …でもきっと、私は三代目 J Soul Brothers にはハマらないなぁ、すみません;