読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

創竜伝 14 〈月への門〉 田中芳樹著 講談社ノベルス 2019年

 シリーズ14冊目。
 ネタばれあります、すみません;

 勝岡寛太から活動資金を得て始動する京都幕府を、欽不鳥(きんぴ)に命じられた八頭の竜蛇が襲う。歯牙にもかけない小早川奈津子征夷大将軍、騒ぎを大きくして争点をぼやかそうとする竜堂兄弟。京都府警、四人姉妹のトカゲ兵も加わって乱戦状態、舞台は勝岡寛太の事務所ビルへ移動した。
 竜堂四兄弟は、黄大老がいる名古屋を訪ねるため京都幕府から離脱、パトカー強奪等々繰り返し、最終的には自転車で、黄大老が身を寄せている中国人富豪 周文丹邸に辿り着く。久々の休日をスタジオZのテーマパークで過ごす兄弟、その間に黄大老とその腹心 王伯仁は殺されてしまった。
 二人を殺したのは周、その黒幕は欽不鳥。竜堂兄弟の前に姿を現し、名古屋を四頭の竜蛇、1000頭の飛天夜叉、1000頭の野狗子に襲わせた。自身もミノタウロスに変身、青竜との一騎打ちに挑んだが敗れる。四兄弟は牛種の本拠地 月へ行くことを決意する。
 茉理たちは警官が大挙踏み込んできた京都幕府ビルを逃れ、宝鼎で仙界へ一時避難していた。…

 そうか、ここで大きく刊行期間が空いたんだな。
 そのせいでしょうね、ドローンやらスマホやら、いきなりこれまで出てこなかった機器が勢ぞろい。…これは出さない方がよかったんじゃないかなぁ(苦笑;)。茉理ちゃんがやたら「足手まとい」って台詞を口にするのが、何だかなぁと言う感じ。今までは逐一描かれていたご馳走の数々が「いちいち書きとめておけないほどの」と省略されてしまったのには、一体どうしたんだ、と思ってしまいました。
 この巻は、編集さんなりちゃんと読んだのかなぁ、と思う描写が続いてですね、竜蛇に巻き付かれた小早川奈津子はどうなったんだとか、下二人の人質になったヴィンセントが次の登場場面で廊下歩いてて上二人に捕まるのはどうしてなんだとか(まぁこれはネクタイ掴んでた余が参戦した段階で手を放したのかなとは思ったんですが、それならそれでヴィンセントが逃げ出した記述とか欲しかったし)。富士周辺で知り合った学者老夫婦はどこ行ったんでしょう。下読み段階で矛盾点指摘する人いなかったのかなぁ。フェアリーランドはぶっ潰しても、スタジオZは壊さないのね(笑)。かつてゴジラが大阪湾に上陸した時に地元のファンが狂喜したように、竜堂兄弟の名古屋破壊をファンも喜んだのかしら(笑)。
 さて、次が最終巻です。…いよいよだねぇ。