シリーズ8冊目。
イングランドでランバート・クラークの結婚式が行われ、ランバートの意識が何者かに乗っ取られていた頃。
無人の街 竜泉郷に着いた竜堂四兄弟は、茉理の姉と名乗る女性 瑤姫と出会い、誘われるまま宝鼎に乗って仙界へ。竜泉郷は竜堂兄弟が訪れたことによって場所を特定され、牛種に崩されてしまった。
崑崙での仙人たちの会議はのらりくらり、なかなか進展しない。竜堂兄弟たち自身のことも教えて貰えず、「自分で見てこい」とばかりにタイムマシンで時を遡ることに。モンゴル軍のロシア征服、アレクサンドロス王の臨終、そして涿鹿の戦い。黄帝と蚩尤との決戦の場に四兄弟は突き落とされ、竜となって応戦する。
香港では茉理たちが黄大人と黄老の再会を画策、タウンゼントと小早川奈津子、三つ巴のどたばたの中、黄大人は命を落とす。
日本では地震や大津波が勃発していた。…
モンゴル軍のロシア遠征って、確か田中芳樹さんの弟子筋(?)に当たる作家さんが書いてたよなぁ、ってんで検索したら出てきました、『蒼き狼の血脈』(小前亮著)ですね。こんな所に布石が打たれていたとは、すっかり忘れてた。(いや、違うだろ;)
大地震や大津波等、今だったらどう書かれるんだろう。出版時、阪神淡路大震災もまだ起きてませんものね。ある意味、資料は揃った訳で。
天界は月にある、ということで最終目的地ははっきりしました。黄帝や西王母の娘たちが捕らわれているということですね。八仙もほぼ登場です。『補天石奇説余話』の作者も明らかになりました。…ある意味、あっさり(笑)。こういう、実の中に虚を交ぜる、という手法は小野不由美著 悪霊シリーズが真っ先に思い付くのですが、田中さんにもやられてしまっていた訳ですね、上手いなぁ。
次巻に続きます。