読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

クジラアタマの王様 伊坂幸太郎著/川口澄子挿画 NHK出版 2019年

ネタばれあります、すみません;

 

菓子メーカーに勤める岸は、クレーム対応ミスの尻拭いから、政治家 池野内征爾と知り合った。池野内の、自分たちは夢の中で、怪物相手に戦っている仲間だという言葉に戸惑う岸。岸は夢などまるで覚えていなかったから。池野内の口から出たもう一人の仲間の名前は小沢ヒジリ、超人気ダンスグループのメンバーで、だから余計に現実感がない。だが、新商品の菓子宣伝を巡って出会った小沢は、岸を名指しで会いたい、と言ってくる。岸と池野内の小沢は8年前、同じ金沢のホテルに泊まっていたという共通点があった。火災に見舞われ、そこからようよう脱出した同じ日に。

音楽イベントに参加した帰り、人工島に取り残されてサーカスの熊に襲われ、でも池野内に救われる。そんな出来事の前にも夢で三人、力を合わせて戦ったのだと主張する池野内、小沢もそれに賛同し、岸もうすぼんやりとした記憶があるようなないような、だが決定打がある訳でもなく、15年。

新型のインフルエンザ、パンデミックの恐怖が岸たちを襲う。小沢が倒れ、岸の娘が罹患し、一人対策を講じていた池野内が暴漢に襲われた。密かに開発されていた薬の存在を明らかにするべく、岸は奔走する。前日の夢で、岸は巨大なハシビロコウに負けていたというのに。…

 

 面白かった! これぞ伊坂さん、ページをめくる手が止まらない。細かい伏線が後々に効いてくる展開、もう嬉しくて仕方ない。池野内議員に食って掛かってた学生が製薬会社社員として出てきた時には「あっっっ!!!」でしたよ。

 いや、あちこちに愛人がいる池野内さんとか、クレームつけて来る夫人とか、危機管理能力皆無の上司とか、色々思うところはあるんですよ、でも何か皆さん結局は憎めなくてねぇ。

 ただの挿画にしては意味深というか重要な役割を担うイラストの説明は、あとがきでされました。確かに「漫画」では駄目だったでしょうね。ただ、ホテルからの脱出劇に関しては、文章でもちょっと読みたかったかなぁ。ちょっと気になるのが印税の配分でした、下世話ですみません(苦笑;)。