読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ドゥ・ゴール 佐藤賢一著 角川選書 2019年

二度の失脚、二度の救国――。20世紀の政治家で、彼ほどドラマチックな挿話に満ちた人物はいない。1940年のパリ陥落の際、ロンドンに逃れ自由フランス政府を設立。BBCレジスタンスを呼びかけるが、敵国ナチスの傀儡・ヴィシー政府を率いるのは軍隊時代の上官ペタンだった。フランス降伏という最悪の事態から自国を再生させ、戦後はアメリカの保護を拒否。強いフランスの威信を内外に訴えた大政治家の足跡を活写する歴史人物評伝。

                     (裏表紙紹介文より)

 

 この辺りのいわゆる近代史の知識が私は本当にないので、初めて知ることが沢山あって驚きました。

 フランス、第二次世界大戦でこんなに負けてたの…??

 イギリス、アメリカに食い物にされまいと動きまくるドゥ・ゴール。こりゃ英雄になる筈だわ。何かアジア諸国なら分かるんですが(これも暴言だよな)、同じヨーロッパ内でもこんなに容赦なかったのか。

 アメリカの影響から逃れようと核開発に着手、それが道徳的にどうかということではなく、戦略的な対策として決行する。この辺りは戦後70年経っても変わらないと言えば変わらないのね。先見の明、と言うべきなのか。

 それが済んだらアルジェリア独立問題、これについては考え方が前時代的で、って今にしてだからそう思うんでしょうが、フランス宗主国の驕りですよね。ただ、どのあたりで考え方の折り合いをつけたのか今いち分からなかったのですが;;

 冒頭近辺、ドゥ・ゴールの脱走遍歴は佐藤さんの語り口もあって妙に面白かったです。「歩いて自分の国に帰れる」って価値観は本当、目から鱗!でした。