読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

創竜伝 10 〈大英帝国最後の日〉 田中芳樹著 講談社ノベルス 1996年

 シリーズ10冊目。

 スコットランド エジンバラへ着いた四兄弟は人喰石(サルコファゴス)を操る石使いの女や小早川奈津子に襲われながらも、現地で知り合ったマクシェーン老人の案内でロンドンへ。
 ロンドンでは大英博物館シャーロック・ホームズ博物館、自然史博物館等を満喫。ランバート・クラーク邸には小早川奈津子を誘導しながら乗り込んだ。ランバート小早川奈津子の規格外のしぶとさに調子を狂わされ、人型を維持できずミノタウルスの姿に。
 場所を移してロンドン塔で小早川奈津子と再会、一旦 退いたミノタウロスは、部下に襲われたことを切っ掛けに 80メートル級の巨大な怪物となって四兄弟の前に現れた。
 テムズ河口での竜との激戦の末、ミノタウロスの口から人頭蛇神の神 共工が飛び出した。四竜は牛種の真の手先を知り、報復を果たす。
 四竜はそのまま日本へ向かう。途中、香港から日本へ船で向かっていた茉理たちを拾い琵琶湖へ着水、京都の共和学院の寮へ戻った。小早川奈津子も ロンドンに滞在していた元首相をお供に、日本を目指す。…

 この巻も読んでましたね、大英博物館についての見解は覚えがありました。歴史的遺物を前にした始の容赦なさっぷりが可笑しい(笑)。ただ、マクシェーン老人は全く忘れてましたね、「いい人が実は敵だった」的な描かれ方って珍しいのに。
 ランバートの牛頭人身の姿に、さすがに四人姉妹も愛想を尽かすした様子、50億人殺害計画は白紙となりました。…でも一旦起こった紛争等々を収めるのは大変そうです。それにしても終盤に巨大化、って戦隊ヒーローの展開だよなぁ(笑)。
 さて、皆揃って日本に帰って来ました。次巻に続きます。

創竜伝 9 〈妖世紀のドラゴン〉 田中芳樹著 講談社ノベルス 1994年

 シリーズ9冊目。

 茉理たちの捕虜となったタウンゼントは、滞在先の亜南飯店に忍び込んできた怪物 野狗子に殺された。さらに茉理たちに襲い来る怪物を、仙界から戻った竜堂四兄弟が阻止する。茉理と四兄弟は再会した。
 ビクトリア湾に夕食に出た終と余は小早川奈津子に襲われ、翼のはえた大蛇 騰蛇(とうだ)に助けられる。そのまま敵の本拠地マリガン・ファーイースト・コーポレーションに乗り込み、そこに居合わせた続と合流。余から連絡を受けた始も加わってビルを駆け抜け、在地責任者とランバート・クラークとの電話連絡現場に直面する。ランバートは香港に向かっての核ミサイル発射を指示、竜堂兄弟は着弾を阻止するべく竜に変身して衛星軌道へ飛翔した。核ミサイルと軍事衛星は破壊できたが、白竜が無数の糸に絡め捕られ月に引き寄せられ、他の三竜も追って月へと飛ぶ。
 月面での戦いの後、西王母の意思を受けた九天玄女の手助けで、四兄弟は地球の香港へ戻った。が、またすぐ小早川奈津子と四人姉妹の残党の襲撃を受け、四兄弟は敵の本拠地ロンドンへ向かうことに。香港に逃亡していた労働者連盟事務局長を脅してパスポートを作成、飛行機に乗ったが飛天夜叉に攻撃される。始は青竜の力 重力操作で飛行機をスコットランドに着陸させる。
 日本では富士山が噴火、鳥羽一家を守るように曹国舅と藍采和、瑤姫が現れた。余の夢には 3000年前の牛種との争いがいよいよ明確に浮かぶ。青竜王が赤城王と刃を交え、時空の狭間に落ちてしまった様子も。白竜王が一人、青竜王を探しに行く。…

 ポンティアナとかいう怪物は、内臓むき出しってことは、そりゃ気持ち悪いけど、弱点さらけ出してるってことだよなぁ。…と思ってたら、天使のなっちゃんにあっさりやられてしまいました。…そうでしょうとも(笑)。
 松永良彦くんの正当な飼い主も明らかに。赤城王は後々出てくるってことですね。
 さて、次巻の舞台はイギリスです。

爆笑問題 with タイタンシネマライブ#70に行ってきました。

 4月16日(金)、「タイタンライブ」の生中継を見てきました。
 銀座時事通信ホールで開催されるお笑いライブ「タイタンライブ」を各地TOHOシネマに生中継、スクリーンで鑑賞するシネマライブ。
 通常 夜7時30分始まりなんですが、今回は午後6時30分からでした。ちらほら途中入場する方もいて、むべなるかな。
 私はTOHOシネマなんば本館にての鑑賞です。また間違えて別館行っちゃったよ; 会場、いつもより小さかったなぁ。

 出演はシティホテル3号室、クレソン、ネコニスズ、ダニエルズ、キュウ、日本エレキテル連合脳みそ夫、まんじゅう大帝国、かが屋、ウェストランド、インスタントジョンソン、どぶろっく、BOOMERと爆笑問題。 …ええと、書き漏れないよね;;

 シティホテル3号室は「子供の魂を喰った化け物」のコント、クレソン(新人枠だそうで)は威勢のいいペットショップ店のバイト君のコント、ネコニスズは面倒くさい(笑)相方、ダニエルズは正義の味方のブラックぶりをヒステリックに嘆き、キュウは「シュークリームになりたい」…相変わらずナナメ上に展開するなぁ。
 日本エレキテル連合は嘘つきな女子高生(机の上に魔法陣描くとかよく思い付くよなぁ)、脳みそ夫は浦島太郎の妹、まんじゅう大帝国は一緒にいる相手が電話に出てしまった時の暇つぶし。
 かが屋は大富豪で遊ぶ大学生(多分)のコント、…本当、いい人だなぁ(笑)。ウェストランドは一人称「ぼく」への拘りを熱弁し(『あちこちオードリー』見てますよ~)、インスタントジョンソンはサービスエリアの食堂の一コマのコントを。「33番のお客様」が出て来た瞬間、思わず「えーーーー!」って叫び声上げてしまいましたよ、じゃいさんいるの知ってるのに(笑)。お三人の紹介文がエラリー・クィーンだったのは何だか嬉しかった(笑)。
 どぶろっくは「やらかしちまった」だの「もしかしてだけど」「イチモツ音頭」等々朗々と歌い上げ、BOOMERは談志師匠(自称)と漫才を。掛け言葉が上手すぎて観客が「おおお~」と感心する場面も(笑)。しかし本当、選曲が古い(苦笑;)。
 で、爆笑問題です。コロナのまん延防止法、有吉さんの結婚、YOASOBI、シン・エヴァ、ゴルフの松山選手とそのキャディさん、子ども庁等々。「俺らいつだってファーストテイク」ってのは成程と思ってしまった(笑)。

 今回はエンディングトークはゲスト3組と順々に。
 かが屋の加賀さんは「久々で緊張した」とのこと。「一番いいネタ持ってきました」と何だか嬉しそう。賀谷さんは爆笑問題への楽屋挨拶で緊張したとかで、「(本番と挨拶と)コント2本あるようなものだから」。太田さんから風貌を「オウム信者みたい」とからかわれて「それ、前回も言われました」。さらに追い打ちを掛けるような田中さんの発言に「田中さんは引き留めて下さい」。…でもごめんなさい、笑ってしまいました。前回出演時のエンディングでは松村邦洋さんと磯山さやかさんに「持ってかれた」恨み節も仰ってましたねぇ。とりあえず復帰して下さってよかった、やっぱり面白いもの。
 インスタントジョンソンはじゃいさんのギャンブル話がメインでしたね~、血筋からしてギャンブラーなんだとか。あと、ツイッター乗っ取られた(!)話とか。田中さんがお休みの時に太田さんが代打で出た麻雀番組のエピソード、太田さん大人な対応で嫌がられたそうで(苦笑;)。スギ。さんがいきなりシガニー・ウィーバー振られてちょっと困惑してらっしゃいましたっけ(笑)。
 どぶろっくさんはコロナ禍で営業が減ったとか。カミツキガメ云々と太田さんに言われてて、すみません、何のことか分からず調べました; まだ言われるのね~(苦笑;)。イチモツ音頭は観客の皆さんも一緒に振りを踊られてたそうで(これは映画館では分からなかった)、皆さんノリいいなぁ(笑)。
 いちいちマイクを消毒していて、本当に大変そうでした。でも出演者さんの話を聞けるのは嬉しいですね。

 どなただったかな、「あとべとかばち」って呟いてらっしゃって、何の時だったかなぁ。「跡部樺地」ですよね、そんな一般的に通じる単語なのか??(笑)
 次は6月ですね。どういう形の開催になるのかな。楽しみです。

創竜伝 8 〈仙境のドラゴン〉 田中芳樹著 講談社ノベルス 1992年

 シリーズ8冊目。

 イングランドランバート・クラークの結婚式が行われ、ランバートの意識が何者かに乗っ取られていた頃。
 無人の街 竜泉郷に着いた竜堂四兄弟は、茉理の姉と名乗る女性 瑤姫と出会い、誘われるまま宝鼎に乗って仙界へ。竜泉郷は竜堂兄弟が訪れたことによって場所を特定され、牛種に崩されてしまった。
 崑崙での仙人たちの会議はのらりくらり、なかなか進展しない。竜堂兄弟たち自身のことも教えて貰えず、「自分で見てこい」とばかりにタイムマシンで時を遡ることに。モンゴル軍のロシア征服、アレクサンドロス王の臨終、そして涿鹿の戦い。黄帝と蚩尤との決戦の場に四兄弟は突き落とされ、竜となって応戦する。
 香港では茉理たちが黄大人と黄老の再会を画策、タウンゼントと小早川奈津子、三つ巴のどたばたの中、黄大人は命を落とす。
 日本では地震や大津波が勃発していた。…

 モンゴル軍のロシア遠征って、確か田中芳樹さんの弟子筋(?)に当たる作家さんが書いてたよなぁ、ってんで検索したら出てきました、『蒼き狼の血脈』(小前亮著)ですね。こんな所に布石が打たれていたとは、すっかり忘れてた。(いや、違うだろ;)
 大地震や大津波等、今だったらどう書かれるんだろう。出版時、阪神淡路大震災もまだ起きてませんものね。ある意味、資料は揃った訳で。
 天界は月にある、ということで最終目的地ははっきりしました。黄帝西王母の娘たちが捕らわれているということですね。八仙もほぼ登場です。『補天石奇説余話』の作者も明らかになりました。…ある意味、あっさり(笑)。こういう、実の中に虚を交ぜる、という手法は小野不由美著 悪霊シリーズが真っ先に思い付くのですが、田中さんにもやられてしまっていた訳ですね、上手いなぁ。
 次巻に続きます。

創竜伝 7 〈黄土のドラゴン〉 田中芳樹著 講談社ノベルス 1991年

 シリーズ7冊目。

 黄大人の尽力で中国へ渡った竜堂兄弟一行は、茉理たちを香港に置いて西安へ、そこで規格外も甚だしい女傑 小早川奈津子に出会って逃亡した後、さらに青海省の奥深くの収容所へ。正面突破で黄大老救出に成功し、西寧へ向かう。
 黄大老曰く、西寧の蓮花寺に、竜泉郷に繋がる地下通路があるのだとか。だが、寺院跡は今や解放軍の一大駐屯地に成り果てていた。竜堂兄弟を賞金首として狙う盧大奇と解放軍、小早川奈津子と竜堂兄弟が激突し、四兄弟は竜へと変身した。黄大老は四人に、そのまま空路から崑崙の地の竜泉郷へ飛べと指示する。
 一方、香港の茉理ランバート・クラークの顔が牛に変わる姿を目撃していた。…

 小早川奈津子嬢登場です! 忘れませんよこの人は、ですからこの辺りは確実に読んでます!
 蝗の大群やらの世界規模の飢饉や災害、紛争、抗争。東京でさえ、大規模停電や暴動が起きて大混乱。竜種と牛種の確執も、具体的なエピソードが徐々に明らかになってきました。天帝はどこにいるんでしょうねぇ。
 個人的に、座談会の「竜泉郷ってどういうところかな」「3000年前に竜が溺れたという悲劇的伝説があるんだよ」で笑ってしまいました。山寺宏一さんの声で聞こえたわ(笑)。本編には「竜堂終の歌、ナルサスの絵」なんて身内のパロディが出てくるし(笑)。
 次の舞台は仙界ですね。次巻に続きます。

イスランの白琥珀 乾石智子著 東京創元社 2020年

 〈オーリエラントの魔道師〉シリーズ。イスリル帝国建国から中興まで。
 ネタばれになってるかも、すみません;

 国母イスランにその才を見いだされた大魔道師ヴュルナイ。いまわのきわのイスランに、白琥珀と共に国の行く末を託されたものの、王族の後継者争いで裏切りにあい、その名声も地に堕ちた。それから数十年、国の中枢には欲にまみれた連中がはびこり、存亡の危機に。密かにオーヴァイディンと名を変えて生きていたヴュルナイは、いつしか白琥珀も失い、あちこちの部族を放浪し、日々の知恵を教えて過ごしていた。
 ある日、弟子兼友人のエムバスの勧めとほんの気まぐれから、無実の罪で捕らえられた若い女族長ハルファリラを助ける気を起こす。
 高価な石鹸でご婦人方の心を掴み、それを足掛かりに王宮へ。現在の王〈落雷王〉グラスグーシとその宰相ジルナリルと謁見し、だが王の態度に我慢ができず、その胸に白琥珀も見出して、二人に喧嘩を売ってしまう。結果、牢獄にいたハルファリラを引き連れて逃亡することに。
 正当に自分の冤罪を晴らすつもりでいたハルファリラや、そのために尽力してきた周囲の人々に、短慮を責められるオーヴァイディン。折しも王の命を受けたジルナリルに襲われ、返り討ちにはするものの重傷を負う。
 ハルファリラに、国母イスランと同じ、人の中に眠っていた魔道を目覚めさせる才能があることを知ったオーヴァイディンは、彼女を王に据えることを思いつく。それがイスランとの誓いを果たすことになると悟った瞬間、彼の傷口から白琥珀が現れた。オーヴァイディンは覚悟を決めてハルファリラを説得、教育と共に各部族の懐柔に、国中を渡り歩く。
 一方、怒り狂ったグラスグーシ王はジルナリルを蘇らせることを命令、禁忌の技の末 冥界から来たものたちは王自身を乗っ取った。オーヴァイディンは王であった者と対決し、ハルファリラと共に冥府の門へと引き摺り込まれる。地上に戻るため、二人はもう一つの白琥珀を奪う。…

 どうもこの頃調子が悪くてですね、本を読む気になかなかならなくて、でも期日は迫って来るので無理矢理読んでるような状態で、でこの本もなかなか進まなくて難儀しました。特に前半。
 何しろ登場人物多いですし、カタカナで出てくる名称が人名なのか地名なのか衣服なのか日用品なのか、その判断から始めなければいけないので。…これはファンタジーの宿命ですね。勿体ないなぁ、絶対好きなお話なのに。
 ハルファリラが出て来てから、多少早くなりました。ハルファリラ、いいなぁ。投獄されながらも「無実を証明したかった」「わたしの名誉、信用は」と叫ぶ姿には はっとしました。非がある相手に対しても筋を通そうとする誠実さ、忘れていたようで。
 人物の造形や異形のものの描写等、視覚に訴えて来る文章は相変わらず、グラスグーシ王の有様とか、アニメーションで見えてくるようでした。
 理解力、記憶力がもっとしっかりしてたらなぁ。こればかりはどうしようもないんですが(苦笑;)。

創竜伝 6 〈染血の夢(ブラッディ・ドリーム)〉 田中芳樹著 講談社ノベルス 1990年

 シリーズ6冊目。

 カナダ近くの森の中、ヘング・コミュニティで束の間の平穏な日々を満喫する四兄弟。だが四人姉妹のタウンゼントは超能力戦闘員を送り込み、ナパーム弾で森林を焼き払う。さらに乗り込んできた戦闘員のヘリを奪って、四兄弟はシカゴの豪華ホテルでタウンゼントと邂逅。タウンゼントの麾下から暴走しはじめた超能力戦闘員と再戦を始めた矢先、ホテルは外部からレーザー攻撃を受ける。
 発射元はイリノイ州ミシシッピ川のほとりセントルイス茉理たち一行の身柄を捕獲したランバート・クラークが砲撃したもの。再びヘリを駆って茉理の元に急ぐ四兄弟は、四兄弟を試すかのようなランバートに不気味さを覚えながらも茉理たちを救出、その逃走を中国系の移民 王伯仁と李伷先の二人が援助してくれた。彼らにその指示を出したのが華僑の実力者 黄大人。サンフランシスコのチャイナタウンで会った黄大人は竜堂司の旧友だと名乗り、四兄弟に竜泉郷の場所を教えるという。ただ、道程を知っているのは黄大人の兄で、現在 中国の政治犯収容所に収監されているとのこと。彼の救出を承諾したのも束の間、大君の指示を受けたタウンゼントがチャイナタウンを攻撃した。崩壊したビルに巻き込まれた続と終が竜に変身、始たちは彼らを追ってサンフランシスコ湾に走った。…

 白人の方が暗さに強いとか、相変わらず妙な知識が増える第6巻。そうか、それでホテルの部屋の灯りって暗いのかな。
 人類50億人を間引きする、という牛種側の計画が明らかになりました。悪役決定ですね。ランバート・クラークがオタクなコレクションを破壊されて落ち込む姿がちょっと可笑しい(笑)。
 巻末の竜堂兄弟座談会で、一応全10巻であることが明らかになりました。…ちょっと長くなりましたね(笑)。
 いよいよ次の舞台は中国ですね。次巻に続きます。